tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

2011-01-01から1年間の記事一覧

コラム・わたしのアメリカ観察 10

★仕事の進め方 日本とアメリカでは、仕事の進め方がだいぶ違う。 最大の違いは、論理的であるか慣行的であるかの違いであろう。つまりアメリカは、その仕事を仕遂げるにはどれがいちばん理にかなってくるかで、やり方が決まる。決まるまでにはかんかんがくが…

コラム・わたしのアメリカ観察 9

購買力平価説 日本からアメリカに来た旅行者は、異口同音に「アメリカの物価は日本に較べて安い」という。とくに食料や衣料など、生活必需品に関してそのように言う。だからアメリカに暮らしているあなたのような人は、生活費が安く上がるだろうから羨ましい…

コラム・わあしのアメリカ観察 8

法の精神 日本とアメリカの法律は違う、と漠然と感じておられる方は多いと思う。どこがどう違うのだろうか。筆者は法律の専門家ではないので、専門家の目から見れば間違ったことをいうかも知れないが、そこはご免蒙ることにして、以下にその違いを私なりに分…

コラム・わたしのアメリカ観察 7

日米「挨拶」の温度差 * * * * * アメリカ人の挨拶は、なんと大げさなんだろう。久しぶりに会ったりすると、とたんに抱き合う。言えば「全身で喜びを表す」というようなものだ。いわゆる「ハグハグ」である。これは日本語でいうところの「久闊を叙する…

コラム・わたしのアメリカ観察 6

★欧米ひとくくり 日本ではアメリカと欧州諸国を含めてひとくくりに「欧米」と呼ぶ。江戸末期から明治維新にかけて欧米の文明が大量に日本にも入ってきて、当時の(今でもそうだが)日本人は物質文明が進んでいた「欧米諸国」を先進国として認めていた。(文…

コラム・わたしのアメリカ観察 5

★ジャックとベティ 生れて初めて英語の話をしたのは、戦時中のもう群馬県に近い埼玉の田舎道でのことだった。当時疎開で住んでいた祖父の家から歩いて2キロほどある村の中心部にあった信用組合に、小学校三年生であった私と母が珍しく二人だけで歩いて用事…

コラム・わたしのアメリカ観察 4

★ワシントン・ハイツ 前後足掛け六年間、学費を稼がせてもらったワシントン・ハイツのことをもう少し書いておこう。 当時の東京には、進駐軍兵士のかなり大規模な宿舎が、あちこちにあった。ワシントン・ハイツはその代表的なもので、いまの山手線の渋谷と原…

コラム・わたしのアメリカ観察 3

★アメリカ人との接触 昭和20年(1945)に日本の敗戦で第二次世界大戦が終った。このあと「連合軍」が日本に進駐してきたが、主力は米軍であった。疲弊した東京の街はたちまち米兵とジープで溢れ返った。日本の国としても、アメリカという国にこれほど全面的…

コラム・わたしのアメリカ観察 2

★アメリカ初体験 わたしが生れて初めてアメリカを実感したのは、戦時中の空襲であった。昭和17(一九四二)年4月18日、太平洋上のアメリカ空母ホーネットから出撃したドゥーリトル中佐率いる双発爆撃機16機のうち13機が東京を襲い、他は名古屋、神戸などを…

コラム・わたしのアメリカ観察 1

アメリカとは、の話 最初にアメリカにきたとき、日本はどうしてこんな大きな国と戦争をする気になったのか、という疑問が頭の中をよぎった。誰も同じ疑問を持つと見え、アメリカ旅行記のたぐいを読むと多くの著者が同じことを書いている。日本は南北に長い国…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・忍之一字

(二〇)「忍之一字」(にんのいちじ) * * * * * この言葉は、現代でもとくにサラリーマンの間でよく用いられるので、いまさら意味を説明するまでもなかろう。世の中はともかく自分の気に入らないことを忍べば成功疑いなし、という意味。出典は呂本中…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・呑舟之魚

(十九)「呑舟之魚」(どんしゅうのうお) * * * * * 舟を丸呑みにしてしまうほどの大きな魚、ということであるが、大きな人物や大いなる悪党に例えられる。関連する言葉に「呑舟の魚は枝流(しりゅう)に游がず」というのがあって、この意味するとこ…

論評・EWJ{四字熟語」コラム・天網恢恢

(十八)「天網恢恢」(てんもうかいかい) * * * * * 「天網恢恢」とくれば「疎にして漏らさず」も一緒に覚えておられる方が多かろう。もともと出典は老子で、原文は「天網恢恢、疏而不失」である。「天網」は天が張る網のこと、そして「恢恢」は大き…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・朝令暮改

(十七)「朝令暮改」(ちょうれいぼかい) * * * * * 朝命令を出して、夕方にはもうそれを改める、ということ。法律や命令や規約や指示などが、たびたび改変されてアテにならないことを言う。これはいまでも「赫赫有名」な四字熟語であり、各方面で頻…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・大器晩成

(十六)「大器晩成」(たいきばんせい) * * * * * 大物として大成する人は(若いときはそれとわからないものだが)ある程度齢をとってから最後に大きな仕事を成し遂げるということ。大器の「器」は「うつわ」でその人となりを意味し、晩成の「晩」は…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・漱石枕流

(十五)「漱石枕流」(そうせきちんりゅう) * * * * * こじつけや負け惜しみを言うこと。またはへそ曲がり。もともと正しくは「枕石漱流」で「石を枕にして流れに口をすすぐ」ということで「俗世間を離れて自然で質素な生活を送る」の意味であった。…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・先憂後楽

(十四)「先憂後楽」(せんゆうこうらく) * * * * * 苦しいことや困難なことは先に片付け、楽しむことは後でやろう、ということ。出典は「岳陽楼記」(苑仲淹)。中国最大の湖・洞庭湖のほとりに岳陽楼がある。十一世紀・宋の時代に名臣と謳われた苑…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・寸善尺魔

(十三)「寸善尺魔」(すんぜんしゃくま) * * * * * 善いことは「寸」の単位でしかこないのに、悪いことは「尺」の単位で押し寄せる、ということ。戦前から戦後にかけて日本の度量衡制度は商品市場ごとに漸次メートル法に切り替わっていったが、戦前…

論評・EWJ[四字熟語」コラム・自業自得

(十二)「自業自得」(じごうじとく) * * * * * 自分がやったことは自分で責任を負わねばならないこと。自分の実行した業(ごう)によって、自分がその報いを得なければならないということ。「自得」の「得」は、利益を表す「トク」ではなく、「報い…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・採薪之憂

(十一)「採薪之憂」(さいしんのゆう) * * * * * 病気か、事故か、老衰か、ともかく自分の身体が自分で動かせなくなり、日常の煮炊きに使う薪を山に取りに行けなくなる心配を言う。使い方としては、自分の病気などの障害を、相手にへりくだって、謙…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・巧言令色

(十)「巧言令色」(こうげんれいしょく) * * * * * 他人の顔色をみて口でうまく言いつくろい、衣裳やちょっとした動作を「色なおし」してまで、その人に取り入ろうとする人は、真心に欠ける、という意味。出典は「論語」学而。原典では「巧言令色、…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・軽挙妄動

(九)「軽挙妄動」(けいきょもうどう) * * * * * 「軽挙妄動」は軽々しく動き、みだりに行動することを言う。ことの重大性を深く考えることをせず、右往左往することだ。出典は紅楼夢。類語として「軽率」「付和雷同」などがあり、反語としては「泰…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・君子豹変

(八)「君子豹変」(くんしひょうへん) * * * * * もともと「君子豹変」とは「君子は過去の悪い行いを素早く改める」という善意の意味であったが、昨今はむしろ「一般の男子」を「君子」と隠喩し、その君子が「変わり身早く悪いほうに変わる」の意味…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・起承転結

(七)「起承転結」(きしょうてんけつ) * * * * * 文章を上手に書くにはこの順で内容をまとめるといい、という一種の文章作法。もともと漢詩の構成からきている。「起」は起こす、つまり始まりの文句で起章。「承」は受ける、承ける、でさらに内容の…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・合従連衡

(六)「合従連衡」(がっしょうれんこう) * * * * * 強敵に対抗するために権謀術数を使って作り上げる戦略や戦術のひとつ。出典は「史記」孟子。漢和辞典を引くと「従」は「たて。特に中国の諸国を南北に連ねる線」とあり、「縦」と同じともある(漢…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・温故知新

(五)「温故知新」(おんこちしん) * * * * * 故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、ということ。言えばこの「四字熟語」シリーズの目的そのものである。出典は「論語・為政」。有名な孔子の教えで、いまでも各種の記事の随所に見ることができ…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・役夫之夢

(四)「役夫之夢」(えきふのゆめ) * * * * * 人生の栄華は夢のようにはかない、ということ。転じて「欲求不満を夢で補う」という意味にもなる。出典は「列子」周穆王。「役夫」とは「使用人」や「下僕」のことで、昔中国の人使いの荒い家で働かされ…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・羽化登仙

(三)「羽化登仙」(うかとうせん) * * * * * 「羽化」は羽が生えること、「登仙」は天に昇って仙人になること。だからもともと「天にも昇るよい心地」を指し、さらに「酒に酔って気分のいいさま」をもいう。出典は「古文真宝後集」前赤壁賦。試みに…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・一暴十寒

(二)「一暴十寒」(いちぼうじゅっかん) * * * * * なにごとも続けてやらなければ効果は薄い、ということ。出典は「孟子」。「暴」は「曝」のことで太陽にさらすの意。つまり植物を一日だけ陽だまりに置いてもあとの十日を日陰に置けば、育つ植物も…

論評・EWJ「四字熟語」コラム・はじめに、悪婦破家

(一)「はじめに・悪婦破家」 * * * * * 日本語は面白い。 26文字しかない英語と違って、50字のひらがな、50字のカタカナ、それに無数の漢字を使って文章を作る日本語は理屈抜きに面白い。 その日本語のなかでも、四字熟語は日常しばしば引用され、文…