tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

書評・濹東綺譚

書評・★濹東綺譚(永井荷風著)角川文庫【あらすじ】 この書評の底本は、昭和二六年(一九五一)初版発行で昭和二九年第五版の角川文庫本。これは第五版ではなくて、初版第五刷というべきだろう。戦後すぐのこととて、活字は旧字体、仮名づかいも旧仮名であ…

書評・フロイスの日本覚書

書評・★フロイスの日本覚書(松田毅一・E・ヨリッセン共著)中公新書【あらすじ】 この本の主人公である「ルイス・フロイス」は、一五三二年にスペイン・リスボンに生まれ、一五六三(永禄六年)に九州に来日、キリスト教カトリック派・イエズス会の会士・僧…

書評・小説 日本婦道記

書評・★小説 日本婦道記(山本周五郎著)新潮文庫【あらすじ】 「小説 日本婦道記」は、もともと著者が第二次世界大戦中の昭和十七年(一九四二)から敗戦の年の昭和二十年(一九四五)にかけて三十篇書いた短篇小説集であった。このうちからこの項の底本と…

書評・指揮官(上・下)

書評・★指揮官(上・下)(児島襄著)文春文庫【あらすじ】 第二次世界大戦(日本では太平洋戦争・後述)の各局面で、軍隊を率いて闘った彼我の指揮官を丹念な取材で、その人物像を描き出してみせた力作。著者の児島襄は東京生れ(一九二七年(昭和二)生〜…

書評・江戸狂歌

書評・★江戸狂歌(なだいなだ著)岩波書店・同時代ライブラリー【あらすじ】 「古典を読む」という岩波書店のシリーズに、江戸狂歌を作家のなだいなだ氏が書き下ろした本。岩波書店の「DL版」とはなんのことかこの本には説明がないので判然としないが、文庫…

書評・タテ社会の人間関係

書評・★タテ社会の人間関係(中根千枝著)講談社現代新書【あらすじ】 本書は一九六六年に執筆され、初版は一九六七年に出版された。英訳本も出されて長期間のベストセラーにもなった。当時東京大学助教授(いまは同大名誉教授)の中根千枝氏が、日本の社会…

書評・島原・天草の諸道

書評・★島原・天草の諸道(街道をゆく17・司馬遼太郎著)朝日文芸文庫【あらすじ】 「街道をゆく」は、司馬遼太郎の最晩年の、渾身の力を込めて執筆した、ライフワークとも呼べる作品である。内容はみごとな出来栄え、というしかないし、全43巻のどれをとっ…