tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

書評・ある通商国家の興亡

書評・★ある通商国家の興亡(森本哲郎著)PHP研究所【あらすじ】 本書には副題として「カルタゴの遺書」とある。いまから2千数百年ほど前の北アフリカの、ちょうど現在のチュニジアのあたりに「カルタゴ」という国があった。この国は当時「通商国家」として…

書評・邪馬台国・清張通史1

書評・★邪馬台国・清張通史1(松本清張著)講談社文庫【あらすじ】 本書評でもさきに紹介したいわゆる「魏志の倭人伝」をもとにした、松本清張独自の史観を盛り込んだ「邪馬台国」の分析。推理作家としても名を馳せた松本清張らしく、随所に邪馬台国の謎に…

書評・日出づる国の「奴隷野球」

書評・★日出づる国の「奴隷野球」(ロバート・ホワイティング著・松井みどり訳)文芸春秋社【あらすじ】 副題に「憎まれた代理人・団野村の闘い」とあり、アメリカ人著者が、日本の野球には「奴隷制度」が残っている、と指摘した本である。同時に著者は「日…

書評・交換日記

書評・★交換日記(平成十九年《二〇〇七》睦月)【前口上】 君子の交わりは淡きこと水の如し。先人はこのように言っていたと記憶する。古稀を過ぎた評者は、先輩に当る方を友人として遠方に持っていて、君子の交わりをお願いしている。現代は電子メールとい…

書評・英米法概説

書評・★英米法概説(田中和夫著)有斐閣【あらすじ】 本書は題名通り「英米法」の概説書である。評者が住むアメリカは当然「英米法」の国であり、日本人である評者の「日本の法律」は、明治維新以来ずっと「大陸法」できているはずだ(このことについて最近…

書評・海軍主計大尉小泉信吉

書評・★海軍主計大尉小泉信吉(小泉信三著)文春文庫【あらすじ】 主人公の小泉信吉は慶応義塾大学を卒業して、三菱銀行に4個月勤務したあと海軍軍人となって1年2個月、父母と祖母と妹2人を残して戦死、と本書の冒頭にある。戦死公報によれば、昭和十七…

書評・アメリカ人民の歴史(上・下)

書評・★アメリカ人民の歴史(上・下)(レオ・ヒューバーマン著、小林良正・雪山慶正共訳)岩波新書【あらすじ】 アメリカの歴史を、それまでの歴史書の多くとは視点を変えて書いた本が本書なのである。上巻の冒頭「日本版への序文」のなかで、ほかの歴史書と…