tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

2007-01-01から1年間の記事一覧

書評・六法全書

書評・六法全書 ★ 小六法・昭和64年版・有斐閣(編集代表・星野英一、松尾浩也、塩野宏)【六法全書とは】 日本は法治国家とされる。その国家の法律の源となる六法律典つまり「憲法」「民法」「刑法」「商法」「民事訴訟法」「刑事訴訟法」を書いた本。実際に…

書評・人名辞典

書評・人名辞典 (1) コンサイス日本人名辞典・三省堂(監修者・上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰) (2) コンサイス外国人名辞典・三省堂(監修者・相田重夫、荒井信一、板垣雄三、岡倉古志郎、岡部広治、土井正興、野沢豊)【人名辞典…

書評・文章・用字用語スタイルブック

書評・文章・用字用語スタイルブック(テクニカルコミュニケーション研究会編)日経BP社【あらすじ】 この本には「ユーザーマニュアルのための」という副題がつく。つまり「ユーザーマニュアルのための文章・用語スタイルブック」なのである。本書は、読者層…

書評・四字熟語博覧辞典

書評・四字熟語博覧辞典(真藤建志郎著)日本実業出版社【あらすじ】 著者は昭和9年(一九三四)生れ、新聞記者から出版界に転じ、漢和辞典、名言辞典、ことわざ辞典などを数多く企画・編集し、この方面の著作も多く持つ人である。本書は「総索引」「名言索…

書評・唐詩解釈辞典

書評・唐詩解釈辞典(松浦友久編)大修館書店【あらすじ】 この「唐詩解釈辞典」は、早稲田大学教授・文学博士であった松浦友久が編著者で、ほかに十四人の共著者が加わって作った、漢詩のかなり本格的な解説書である。帯に「唐詩解釈の決定版」「引用資料は…

書評・理科年表

書評・理科年表・机上版(東京天文台編纂)丸善【あらすじ】 世の中の森羅万象は「自然科学」と「社会科学」の2分野に分けることができるが、この「理科年表」は自然科学分野の辞典として、その内容の幅広さ、濃さ、興味深さにおいて一頭地を抜いているよう…

書評・最新ビジネス英文手紙辞典

書評・最新ビジネス英文手紙辞典(F.J.クディラ著・朝日出版社)【この英文手紙辞典は】 巻末の著者紹介によると、この「フランシス・J・クディラ」氏は一九三三年アメリカ・NJ州生れ、経済学専攻で来日後上智大学、一ツ橋大学でマーケッテイングを学び、こ…

書評・新自修英文典

書評・新自修英文典・第5訂版(山崎貞著、増訂者・毛利可信・研究社)【この参考書は】 この「新自修英文典」は、評者が学生時代のころの英文法の参考書であった。この本の原典は原著者の山崎貞によって大正時代に上梓されたようだが、この項の底本にしたの…

書評・英語図鑑

書評・英語図鑑マクミラン・ビジュアル・ディクショナリー・著作権登録1992年(エディソンズ・ケベック・アメリーク社)【通称「マクミラン英語図鑑」】【英語図鑑とは】 そもそも図鑑とは、口で言ったり文章に書いたりするよりも、図示したほうがはるかに分…

書評・英々辞典

書評・英々辞典メリアム・ウエブスターズ・カレッジエイト・ディクショナリー第10版・著作権登録1993年(メリアム・ウエブスター社)【通称「ウエブスター辞典」第10版】【英々辞典とは】 一般論でいえば「英々辞典」とは、英語による国語としての「英語」辞…

書評・和英辞典

書評・和英辞典(1) 新リトル英和・和英辞典・1988年第四刷(ただし「英和」「和英」部分ともそれぞれ「第5版」となっており、合本されものが上記第四刷)・研究社(監修・竹林滋、中尾俊夫) (2) 和英中辞典・1991年重版・旺文社(編者・長谷川潔、桃…

書評・英和辞典

書評・英和辞典 (1) ニューリトル英和辞典・第一版十三刷・研究社(主幹者・市河三喜) (2) 英和中辞典・旺文社(編者・旺文社) (3) 新英和大辞典・第五版・研究社(編者代表・小稲義男)【英和辞典とは】 英語の言葉を集めてアルファベット順に配…

書評・現代用語の基礎知識

書評・現代用語の基礎知識・自由国民社【「現代用語の基礎知識」とは】 最初におことわりしておくが、評者の手許にある「現代用語の基礎知識」は、創刊40周年版を謳う1988年版、つまりいまから約20年前の古いものなのである。すると本書の創刊は1948年、…

書評・漢和中辞典

書評・漢和中辞典・旺文社(赤塚忠・阿部吉雄編)【漢和中辞典とは】 漢和辞典は、漢字の辞典である。漢字は英語のような表音語とは異なり、ひとつひとつの漢字が意味を持っている表意語であるから、漢字の辞書は欠かせない。それで国語辞典とはまた別の漢和…

書評・国語辞典

書評・国語辞典 1) 国語辞典・第二版小型版・三省堂(編者代表・金田一京助) 2) 国語辞典・新版大活字版・旺文社(編者・守随憲治、今泉忠義、松村明) 3) 広辞苑・第三版机上版・岩波書店(新村出編)【国語辞典とは】 国語つまり日本語の辞書として…

書評・不実な美女か貞淑な醜女か

書評・★不実な美女か貞淑な醜女か(米原万理著)新潮文庫【あらすじ】 ロシア語の同時通訳者として名を馳せ、先年若くして物故した米原万理の「通訳者・翻訳者」としての体験から、翻訳作業を考察した好著である。当地アメリカに駐在したことのある日本企業…

書評・小磐梯

書評・★小磐梯(井上靖著)新潮文庫・「楼蘭」所載【あらすじ】 本篇は文庫本にして30頁足らずの短篇である。この新潮文庫の題名は著者の代表作のひとつと言われる「楼蘭」となっているが、全部で12篇を納めた「短篇集」ということができる。このなかに収録…

書評・エアバスの真実

書評・★エアバスの真実(加藤寛一郎著)講談社【あらすじ】 副題に「ボーイングを超えたハイテク操縦」とある。一九九九年初版発行の本であるから、技術革新の早い航空機業界の本としては、二〇〇七年のこんにち、内容が古くなっている点があることは否めな…

書評・月刊誌「室内」

書評・★月刊誌・室内・平成16年(2004)1月創刊50年号(山本夏彦主宰)工作社【あらすじ】 このインテリア専門の雑誌は、最初昭和三十年に「木工界」という名前で創刊された。創刊したのは、「かの」山本夏彦である。途中昭和三十六年に現在の「室内」に改…

書評・浅草

書評・★浅草(稲田譲著)財団法人文明協會【あらすじ】 本書は昭和五年(一九三〇)十二月発行の、当時「日本一」の盛り場であった「浅草」のガイドブックと言える本である。発行元の「財団法人文明協會」は、ライブラリーとして定期的にこのようないわゆる…

書評・シリーズ福祉に生きる2

書評・★シリーズ福祉に生きる2・草間八十雄(安岡憲雄著)大空社【あらすじ】 本書は、とくに最近論議されたり参入されたりする人の多くなった社会の一分野「福祉」について、その先駆者・先輩に当る人々を、個人ごとに伝記風にまとめたシリーズ本である。…

書評・新制中学校の成立

書評・★新制中学校の成立(飯干陽著)みすず書房【あらすじ】 「敗戦直後の極度の混乱と窮乏のなか、未知なる平和世界への先駆けとして、新制中学校は発足した。東京都品川区立浜川中学校もそのひとつである。中学校が新制を公的に名乗ったのは、昭和22年(…

書評・うみやまの友だち

書評・★うみやまの友だち(瀧本阿彌子著)自費出版【あらすじ】 本書は児童文学のジャンルに属する。おとぎばなし、と言い換えてもいいだろう。五章からなり、それぞれの章の登場人物?は「カニの潮太」「みどりいろの目のうさぎ」「三つ子の猫」「カメのカ…

書評・ガラスのうさぎ

書評・★ガラスのうさぎ(高木敏子著)金の星社【あらすじ】 第二次世界大戦(日本では大東亜戦争、太平洋戦争ともいう)に日本が負けた昭和二十年(一九四五)に、東京の本所区(いまの墨田区)両国に住んでいた小学校六年生(当時は国民学校、以下同じ)・…

書評・スローカーブを、もう一球

書評・★スローカーブを、もう一球(山際淳司著)角川文庫【あらすじ】 この本は「スポーツもの」に分類される。内容は、高校野球に題材を取った「八月のカクテル光線」、プロ野球屈指の大投手・江夏の勝負を描いた「江夏の21球」(スポーツ雑誌・ナンバー創…

書評・ガリヴァ旅行記

書評・★ガリヴァ旅行記(スウィフト著・中野好夫訳)新潮文庫【あらすじ】 最初の第一篇、第二篇がむしろ子ども向けのお伽話として有名なこの本は、もともと歴とした大人向けの、それもかなり知的ゲームを楽しむことのできる高級な本である。全体は次の四篇…

書評・ジャズ

書評・★ジャズ(油井正一著)新潮文庫【あらすじ】 副題に「ベスト・レコード・コレクション」とある。著者の油井正一は、著名なジャズ評論家として知られた。本質的にこの本は「ジャズ・レコードのカタログ」である。著者からみて名演奏のジャズ・レコード…

書評・大相撲ちょっといい話

書評・★大相撲ちょっといい話(小坂秀二著)文春文庫【あらすじ】 戦前・戦中から平成に至るまでの、大相撲に登場する力士について、放送中継する立場のアナウンサーからみた「いい話」を書いた本。ここにでてくる力士名を、目次からだけでも抜書きすれば、…

書評・苺の季節+

書評・★苺の季節(コールドウェル著・杉木喬訳)角川文庫+tokyokidの「人生最初で最後でないジャム作り」【tokyokidの「人生最初で最後でないジャム作り」・本文】 生まれて初めてジャムを作ってみた。結論からいうと、苺のジャム作りとはこんなに簡単なも…

書評・零の発見

書評・★零の発見(吉田洋一著)岩波新書【あらすじ】 副題として「数学の生い立ち」とある。函数論の権威として知られた著者が「数学を知らないまったくの素人だけ」を念頭に置いて、数学を材料とした通俗的読物集として書かれた。以上は著者による「はしが…