tokyokidの書評・論評・日記

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書評・英語図鑑

tokyokid2007-11-01

書評・英語図鑑

マクミラン・ビジュアル・ディクショナリー・著作権登録1992年(エディソンズ・ケベックアメリーク社)【通称「マクミラン英語図鑑」】

【英語図鑑とは】
 そもそも図鑑とは、口で言ったり文章に書いたりするよりも、図示したほうがはるかに分り易い事物の解説書である。事物だから品詞でいえば名詞である。日本語の植物図鑑、動物図鑑のたぐいを思い浮かべていただければいい。これを英語の単語にしぼって、英語を学ぶ一般的な読者を対象として、内容も日常によく使われる項目を網羅するように作られたのがこの「英語図鑑」である。
【あるべきよう】
 英語の図鑑であるから、内容は森羅万象を網羅せざるを得ない。本英語図鑑は、内容を宇宙、地理から家・建物から農業・ガーデニングに至るまで、全部で39項目に分類してある。なかには人体、家具、各種スポーツ、通信、交通手段などというものもあり、いわゆる日常一般の用途でよく使われる単語が図解されてあれば「使い易い」図鑑ということになるだろう。
【使ってみれば】 
 英語の、それも名詞を学ぶとなれば、英和や和英の辞典で事が足りるのであるが、それでも細かい事物やニュアンスのある使い分けの必要な事物を図鑑で確かめると覚えやすい。これはものの形容ではなく、事物の名称がグラフィックつまり図示で眼から入ってくる情報だから、細かいことでも覚え易いということがあるのだろう。それで本図鑑を使ってみれば、カラーの図とその名称(だけ)が一見して読者の眼に飛び込んでくるように、余計なことは書いてないのがいい。本書は3千5百のカラー・イラストで2万5千語が引ける、と謳っている。これだけ覚えれば、英語で日常生活を送るにしても、かなり楽になるだろう。惜しいことに、医療機器に関する説明が、一部の視覚と計測関係事物を除いてはそれほど充実していないが、これが本図鑑の数少ない欠点のひとつである。またはこのような一般用図鑑の限界、とでも言おうか。
【それはさておき】
「図鑑」は「見る辞典」でもある。手洗いで大きな用を足しながら、眺める本として、本書はもってこいの英語図鑑である。これを実行した人は、自分の時間を倍に使っている実感にひたることができるだろう。手洗い常備の本として、この英語図鑑に優るものはない。話は変るが、かつて野球のイチロー選手が大リーグ入りを目指して評者の住む南カリフォルニアで冬季のトレーニングに励んでいたことがあった。そのころサインをもらったお礼にこの図解辞典の表紙裏に評者のサインをして、人気者のイチロー選手に進呈したことがあった。いまでもシアトル・マリナーズを代表する選手として大活躍を続ける同選手にとっては、他人のために自分がサインする機会はいくらでもあるだろうが、他人がサインしたものをもらう機会はそうそうあるわけではないだろう。そう思ってしたことだったが、同選手は本英語図鑑を活用したと見えて?日本人選手ながら気の利いた英語を使って地元アメリカの記者に対応するので評判がいいと聞くのは、とても嬉しいことだ。□