tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

2007-01-01から1年間の記事一覧

書評・金持ち父さん 貧乏父さん

書評・★金持ち父さん 貧乏父さん(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター共著、白根美保子訳)筑摩書房【あらすじ】 副題としていわく、「アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」。一代で百万長者に成り上がった日系アメリカ人のキヨサキが、公認会計…

書評・濹東綺譚

書評・★濹東綺譚(永井荷風著)角川文庫【あらすじ】 この書評の底本は、昭和二六年(一九五一)初版発行で昭和二九年第五版の角川文庫本。これは第五版ではなくて、初版第五刷というべきだろう。戦後すぐのこととて、活字は旧字体、仮名づかいも旧仮名であ…

書評・フロイスの日本覚書

書評・★フロイスの日本覚書(松田毅一・E・ヨリッセン共著)中公新書【あらすじ】 この本の主人公である「ルイス・フロイス」は、一五三二年にスペイン・リスボンに生まれ、一五六三(永禄六年)に九州に来日、キリスト教カトリック派・イエズス会の会士・僧…

書評・小説 日本婦道記

書評・★小説 日本婦道記(山本周五郎著)新潮文庫【あらすじ】 「小説 日本婦道記」は、もともと著者が第二次世界大戦中の昭和十七年(一九四二)から敗戦の年の昭和二十年(一九四五)にかけて三十篇書いた短篇小説集であった。このうちからこの項の底本と…

書評・指揮官(上・下)

書評・★指揮官(上・下)(児島襄著)文春文庫【あらすじ】 第二次世界大戦(日本では太平洋戦争・後述)の各局面で、軍隊を率いて闘った彼我の指揮官を丹念な取材で、その人物像を描き出してみせた力作。著者の児島襄は東京生れ(一九二七年(昭和二)生〜…

書評・江戸狂歌

書評・★江戸狂歌(なだいなだ著)岩波書店・同時代ライブラリー【あらすじ】 「古典を読む」という岩波書店のシリーズに、江戸狂歌を作家のなだいなだ氏が書き下ろした本。岩波書店の「DL版」とはなんのことかこの本には説明がないので判然としないが、文庫…

書評・タテ社会の人間関係

書評・★タテ社会の人間関係(中根千枝著)講談社現代新書【あらすじ】 本書は一九六六年に執筆され、初版は一九六七年に出版された。英訳本も出されて長期間のベストセラーにもなった。当時東京大学助教授(いまは同大名誉教授)の中根千枝氏が、日本の社会…

書評・島原・天草の諸道

書評・★島原・天草の諸道(街道をゆく17・司馬遼太郎著)朝日文芸文庫【あらすじ】 「街道をゆく」は、司馬遼太郎の最晩年の、渾身の力を込めて執筆した、ライフワークとも呼べる作品である。内容はみごとな出来栄え、というしかないし、全43巻のどれをとっ…

書評・Oヘンリー短篇集(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)

書評・★O・ヘンリー短篇集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(O・ヘンリー著・大久保康雄訳)新潮文庫【あらすじ】 この文庫本は3冊に分冊されていて、どれにも著者の短篇が十篇前後入っている。一八六二年アメリカ・ノース・カロライナ州グリーンズボロ生れの著者は、一八六二年生…

書評・新訂 日暮硯

書評・★新訂・日暮硯(笠谷和比古校注)岩波文庫【あらすじ】 この本は、江戸中期に一〇万石・信州松代藩の家老であった恩田木工(おんだ・もく)が、傾いた藩財政を立て直すためにどのように改革に取り組んだか、そして立て直しに成功したかの事実を、本人…

書評・少年文学集

書評・★少年文学集(著作者代表・鈴木三重吉)改造社刊【あらすじ】 この本は、「現代日本文学全集・第三十三篇」として、昭和三年(一九二八)三月一日に、改造社から発行された「少年文学集」という題の本である。当時の童話雑誌「赤い鳥」から転載された…

書評・プリンシプルのない日本

書評・★プリンシプルのない日本(白洲次郎著)新潮文庫【あらすじ】 白洲次郎は、第二次世界大戦に日本が敗れた翌年の昭和二十一年(一九四六)から五次にわたって首相職を務めた吉田茂の側近として、政治的戦後処理に立ち会った人として知られる。その後貿…

書評・眠る盃

書評・★眠る盃(向田邦子著)講談社文庫【あらすじ】 この文庫本に収録されているエッセイは全部で59編あり、それが三部に分かれている。つまり「一般エッセイ」「特定の人物を配したエッセイ」「男性鑑賞法と称する特定の有名男性に関するエッセイ」という…

書評・アメリカとは何か100章

書評・★アメリカとは何か100章(大森実著)講談社文庫【あらすじ】 現在世界唯一の超大国になったアメリカという国は、知られているようで意外に知られていない国ということもできる。日本では特にそうなのかも知れない。元新聞記者の著者は、この本に「…

書評・坊っちゃん

書評・★坊っちゃん(夏目漱石著)岩波文庫、角川文庫ほか【あらすじ】・・・・・省略。 【読みどころ】 「坊っちゃん」を読んだことのない日本人はまずいないであろうから、あらすじは省略して話を進めたい。今回は、 ① 角川書店の漱石全集・第一巻〔昭和三…