日記161211・バターが品薄で高いわけ
日記161211・バターが品薄で高いわけ
なぜバターがこのところ長期にわたって品薄なのか、そして高いのか。先日日本経済新聞系のテレビ東京の特集番組を見てその理由がわかった。全国の9割近くのシェアを占める牛乳集荷団体でJA北海道系のホクレンという団体組織がバターを作らせず、つまり、バター生産用の牛乳を割り当てず、意図的に品薄状態を作り出して末端の高値を維持しているからなのだ。この自由主義経済下で、消費者をバカにしたこんな話があるだろうか。
アメリカでこんなことをやったら、公取委が黙っていない。すぐに審判が開かれるだろう。日本の公取委始め政府関係機関は、このバターの異常な物価高を防ぐためにいったいなにをしているのか。
いまバターはスーパーなどで200グラム400円ほどしている。10年前の2倍以上に高騰している。もともとバターは明治以降日本に入ってきた食品で、売買単位はずっと「ポンド」だった。1ポンドは約450グラム。したがって日本でもずっとバターの重量包装単位は1ポンドで、それは450グラムと計算されて守られてきた。たとえば半ポンドはながらく225グラムだったのを読者諸賢は覚えておられよう。それが近年みるみる重量が1割以上少ない200グラムに減らされただけではなく、値段が釣り上げられていまはこの有様だ。
安倍政権と日銀が目指した「物価上昇率2%」はなにを基礎にして計算するものか知らないが、その中にバターは入っていないものと見える。バターの価格を算入したら、2%なんてインフレ目標はたちまち簡単に達成できるよ。それにしても、政府がインフレにしようと目標を立てても、なにも言わないでデモも起こさないで黙って見ている日本の国民性というのも妙なものだなあ。中南米を始めほとんどの諸外国ならとっくに政府打倒運動が起っているよ。□(写真はネットから借用)