tokyokidの書評・論評・日記

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日記181201・二十万欲しい

日記181201・二十万欲しい

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 年の瀬を控えて切実な話である。昔買物は「掛け買い」が普通だった頃、掛け買いのできる家庭の支払いは年二回、盆と暮だった。したがってたいていの商人の大晦日というものは掛け取りに走り回って、家に落着くのが夜中の12時、つまりは元旦の朝で、もとより年末は寝る暇もなかった。いまはそんなこともなくなったが、現実には切実にいま以上の収入を求める人はいる。それも切実な金額なのである。今年ももう師走、タイミングもいいので下記のトルーストーリーをご紹介する。

 知人にある地方都市の有料老人ホームに介護士として働いていた女性がいた。訳ありのシングルマザーである。この人がある日「月二十万なければ生活できない。どうしても二十万欲しい」と言って長く勤めていたその老人ホームを辞め、タクシードライバーに転向した。老人ホーム勤めなら長い経験があるから、勤務そのものには慣れているはずだ。それをある年齢になってから人生で初めてのタクシードライバーに転向して、たとえ念願の月二十万を稼げるとしても、少なくとも最初のうちは業務がさぞ辛かろう。

 政府はこれほど「賃金は上がらず、物価は底無しに上る」状態でも「年2%のインフレにしたい」と下情を無視したことを言う。 二十万といえば年収240万。二人家族とはいえ、支えるには最低限度必要な金額ということはよくわかる。しかしこれから公租公課の約40%を差し引けば使える金額は月わずか12万円。ここから家賃、食費、交通費、電気・水道費、こどもの養育費・・・を払って・・・私ならずとも溜息が出よう。それでいて上場企業の従業員のようにボーナスは支給されないとなると、子供を一人かかえて月二十万以下ではとてもやっていけないのは自明の理だ。

 以上は現役の人の話である。テレビでは、現在年金生活者、つまりこれらの人々は高齢者であるわけだが、その4人にひとりは生活保護世帯の支給額より低い金額で生活している、というボランティア団体の報告が報道されていた。その番組によると、生活保護所帯は月13万円支給されるそうだが、ある85歳のおばあさんは月6万円の年金で生活しているという。彼女の一日の食費はわずか300円とも報じていた。これがいい政治の結果だろうか。役人のすることはどこか間違っているのではないか。

 国から高給をもぎ取ってのうのうと暮らせる政治家や官僚はいいだろうが、こうした苛酷な環境で働く人のことを考える政治家や官僚というものは存在しないのだろうか。いや、まず絶望的だろうな。□

(写真はネットから借用)※どうしたことか今回は写真を添付できません。後程また試してみますがご了承下さい。

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