tokyokidの書評・論評・日記

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日記210220・冬のトマト

日記210220・冬のトマト

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 いまは冬の真っ最中。それでも店にいけばトマトを買うことができる。きゅうりもナスもだ。ご承知のとおり、これらの野菜は夏が旬の野菜なのである。それを冬の最中に食う。これを贅沢と見るか、季節外れのご道楽と見るか、人さまざまであろう。

 冬のトマトは味が悪い。薄いビニールの温室で節約に励みながら栽培した野菜類が旬のものとくらべてうまかろう筈がない。値段だって高かろう。

 もう半世紀も前に、中加と呼ばれるカリフォルニア州中部、Bakersfield から Fresno のあたりだったと思うが、トマト農園の収穫を見学に行ったことがあった。見渡す限りのトマト畑で、たった2台の大型トラックが動いていた。先頭はトマト収穫機で、車幅いっぱいに二重の鋤のような挟み機があってこれが地上に生えているトマトの木を目いっぱい挟んで引き抜く。そのまま上に持ち上げてユサユサと揺さぶる。すると熟したトマトの実は枝から離れて後部についている大型トレーラーの荷台に放り込まれる。それだけが収穫というわけだ。鋤に挟んであるトマトの木は、まだ熟していない青いトマトの実をつけたまま畑に放り出される。これはそのまま土に戻して次の栽培の肥料にするのだそうだ。つまり青い実は木ごと捨ててしまうのである。さて、トレーラーの荷台が熟したトマトで一杯になると、畑の中央にある協同組合の建物に運び込まれる。そこには水泳の25メートルプールくらいのおおきな水洗設備があって、一方の端から落とし込まれるトマトを超音波で洗い、次の大きさ自動選別機にかけて、大きさ別に分けていく。よく熟した大きな(みごとな)トマトは生食用にスーパーなどに出荷される。生食用に適さないものは加工用としてトマト・ケチャップやジュースやピューレなどの加工用に工場に運ばれていく。こうして6月から9月ごろまでトマトの収穫が続くのだそうだ。ちなみにトマトを絞ったあと含有水分が 50% を切ると流体としてパイプ内を流れなくなるそうで、絞ったあとの半製品は、石油運送のロータリータンクのような大型トレーラーに入れて運ばれる。

 トマトの収穫に必要な人数はたった二人。それで4個月間毎日収穫に収穫を重ねる。日本のトマト農家が逆立ちしても、味から作業効率からコストまで敵うわけがないことがよく判った。若い日の遠い記憶である。□ (写真はネットから借用)

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