tokyokidの書評・論評・日記

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日記171011・マクダーナルズ

tokyokid2017-10-11

日記171011・マクダーナルズ
 日本新聞協会では、外来語の表記を日本語でカナ表記にする場合、なるべく現地の発音に近い表記にするように定めているらしい。これがどんなに的外れであるか、過去私が現地のバイリンガル日刊紙・羅府新報のコラム「磁針」に書いた記事を引用して議論を進めたい。まずはコラム記事である。
【以下引用】
羅府新報・1907年7月1日付・コラム「磁針」掲載
題名・マクダーナルズ
 もう三〇年も昔、アメリ東海岸に勤務していた頃、日本の新聞を購読しようと思えば、高い料金を払って航空便で取り寄せても手許に届くまで優に一週間はかかった。それで当時から「羅府新報」も併読していた。このほうがはるかに早く情報が届いたからだ。
 当時の羅府新報のクラシファイド・アド欄では、日本では見られないカナ表記がたくさん目についた。例えば小切手は「チェッキ」、経理記帳が「ブッキーピング」、機械が「ミシン」などだ。日本のカナ表記では、ふつう「チェック」「ブック・キーピング」「マシン」となる。もっとも縫製機械は日本でも「ミシン」であったが、これは逆に日本で「ミシン」といえば縫製のための機械しか意味しない。そのほかの機械一般は「マシン」であった。日本語では「道筋」を意味する「ルート」もきちんと「ラウト」であった。これら現地のカナ表記は、巧みにもとの英語の発音の特徴を正確に捉えていて、さすが、と唸らされた。でもどうして日本語では「ルート」のみならず「ページェント(現地ではパジェント)」、「キャブレター(カービュレーター)」「ボーリング(ボウリング)」など、現地の発音とは異なる表記が普及してしまったのだろうか。日本新聞協会の取り決めによれば「ロサンゼルス」と表記されることになっているらしいが、アメリカ人にこの発音では通るまい。「ロスアンジェルス」または「ロスアンジェリース」であろう。
 いまでは世界ブランドになったハンバーガー店の「マクドナルド」は、略して東京では「マック」、大阪では「マクド」と呼ばれる。アメリカ人にこれらの発音で尋ねても当の店に連れていってもらえるとは限らない。カナなら「マクダーナルズ」がいちばん地元の発音に近い表記だろう。マとダにアクセントを置いて、最後に「ズ」を軽く添えてもいい。カナのない中国では「麦当労」と表記するそうだが、発音はどうなっているのだろうか。現地で通用する「マクダーナルズ」を、このカナ表記ではなんのことかわからない日本でどうしたものだろうか。□
【以上引用】

 外来語の日本語表記に関してもこれだけのデタラメさがまかり通っているのだ。さしもの日本新聞協会の取り決めもまったく機能していない。まして意味も含めたいわゆる「和製英語」については、目をおおう惨状だ。一般の普通の市民が現地で使われている英語を、意味を取り違えて日本で通用させている例はいくつもある。和製英語がまかり通る現状であるが、この件に関しての議論は後の機会に譲り、ここでは議論しない。□
(写真はすべてネットから借用)