tokyokidの書評・論評・日記

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NZ日記120718・アウクランド・ニュージーランド避暑記

tokyokid2012-07-18

NZ日記120718・アウクランド・ニュージーランド避暑記

 今月6日から昨17日まで、生れて初めての南半球・ニュージーランド(以下NZ)のアウクランドに行ってきた。この時期北半球の日本は梅雨期ないしは夏の季節であるが、南半球は冬の季節であるから、避暑をする場所としては適当であるか、季節や気温は避暑の役に立つかを見極めるための、いわばヤジウマ旅行となった。
 狙いとしては、私の苦手な後進国ではない先進国で、英語が通用し、居心地のよさそうな国で、なおかついままで行ったことのない国を選んだ。同じような条件に当てはまるところに、今回行った NZ の隣国オーストラリアがあるが、このほうは国土がだだっ広いという印象が強く、旅行といってもあちこちの名所旧跡を駆け巡るタイプのパック旅行になりそうな気配が濃厚であったので敬遠し、最近ある旅行社が売り出した長期滞在プランというパッケージから選んで、好みに合う国・都市を選んでみた結果、行き先がニュージーランドのアウクランドになった、というわけだ。
 本当はひとつの都市に一ト月くらいは滞在したかったが、日本人でそういう旅行の形態を好む人は少ないらしく、お仕着せの一週間のプランを(短くてはなはだ不本意ながら)十一日間に延長してもらっての今回の旅行となった。
 読者諸賢がご存じのごとく、ニュージーランドは日本の本州と北海道を合せたくらいの面積で、北島と南島にわかれている。北島のほうが赤道に近いので冬も温かく、この期間北島(のまた北端近く)にあるアウクランド市中の日中の最高気温は摂氏十度台前半、手袋を必要としない暖かさであった。今回は行かなかったが、土地の人の話によると、南島ではこの時期非常に寒く、雪も積って大変だ、ということであった。
 英語では Auckland と表記するので、米国カリフォルニア州の Oakland とは綴りが違う。発音は現地の人たちの発音基準でも「オークランド」と、われわれ外国人にはほとんど識別できない違いしかなかったが、明治期の名翻訳者といわれた森田思軒の「十五少年・少年文学集・改造社版」(今日では「十五少年漂流記・ヴェルヌ著・波多野完治訳・新潮文庫」で訳文は異なるが同じ小説を読むことはできる)では、 Auckland は「アウクランド」となっており、このほうがこの市にははるかに似つかわしい日本語表記だと思わせる。本稿ではこの表記に従ったゆえんである。
 アウクランドは、世界中で陽の沈むときのなかった大英帝国の植民地のひとつとして今でもしっとりと落ち着いたたたずまいを残しており、そこに住む白人、マオリ族などの原住民、インドや中国からの移民を含めて、適度な成長性を秘めて NZ の成長を牽引するこの国第一の経済活動の大きな市としての風格を残していたように思う(首都はウエリントン)。意外だったのは、現地に住む日本人も多かったことで、彼らは旅行社や市内に無数にあるみやげ店などで働いていた。これが昨今の経済成長の止った日本の国情とどう関係するのかはわからない。わからないなりに、彼らの今後の人生が平坦であることを祈るばかりである。□