tokyokidの書評・論評・日記

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日記170411・関西の蕎麦屋は味と風情あり

tokyokid2017-04-11

日記170411・関西の蕎麦屋は味と風情あり
 前回4月1日のブログは「四月馬鹿」でした。たくさんの人が騙されたフリをして下さって有難うございました。今回からまた元に戻ります。ちなみに今回の「フール」は「女性が大相撲の土俵に上がること」で、神事でもある大相撲では、土俵の上は女人禁制なのです。以前女性の厚生大臣大阪府知事が、土俵上で力士に優勝盃を授与したいと言い張って物議をかもしたのを覚えておられる方も多いでしょう。
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 蕎麦は関東、うどんは関西、とは定評のあるところだが、どっこい関西にもうまい蕎麦を食わせる蕎麦屋がある。私見によれば、蕎麦屋で蕎麦をうまく食うためには、蕎麦、つゆ、店の風情それにサービスが良くなくてはならない。最近芦屋市に住む友人に連れて行ってもらって、隣町の西宮市にあるうまい蕎麦屋を二軒発掘してきた。
 ひとつは「大正庵」。この店は阪急電車の苦楽園口駅真横にある。公園の中にあるような大きな敷地と道路をはさんだ駐車場が大きいので、くるまで行ってもまず困ることはない。関西は出し汁に歴史があるのでつゆがうまい。関東でよく見かけるようなやたら醤油くさいつゆで蕎麦を食わせたりしない。この店も御多分に洩れず、うまい出し汁でつゆを作り、うまい蕎麦を出して食わせる。店内から見える広い公園のような前庭がこの店の風情を作り上げている。
 もう一軒は、 JR 西宮駅から徒歩10分くらいのところにある「そば辰」。ここは意外にも蕎麦屋に接してうまいコーヒーを飲ませる「咲」という別棟のコーヒー店がついているが、これは後述する。この店は、昼時は客とくるまで溢れ返るが、店内の客待ちの椅子の目前には手入れの行き届いた坪庭があって、待つ客を和ませる。店内も蕎麦屋にしては広すぎず狭過ぎず、椅子席の多い作りだ。建物は昔の屋敷を改造して蕎麦店にしたと思われる風情ある作りで、前述の坪庭ももとの住居がどんなものであったかを無言のうちに語ってくれる。ここは蕎麦のほかにうどんと、それから「とろろ汁」を食わせてくれる。私は関東者だから蕎麦ととろろ汁を喰ったが、いずれも満足以上、関東の蕎麦屋も顔負けのうまさであった。もちろん使っている出し汁もさすが関西だ。つゆがうまい。店を出ると、目の前に「咲」があって、時間があればうまいコーヒーを楽しむことができる。この店の内装も落ち着いたもので、ゆっくりと食後のコーヒーを飲めるのがいい。愛想のいいこの家の娘と思われる落ち着いた美人がにこやかにコーヒーを持ってくる。ここにくるなら、時間をとって、蕎麦とコーヒーの両方を楽しまれることをおすすめする。
 さすが人あしらいのいい関西の店だけあって、両店とも客を扱うのに手を抜かない。決してイヤな思いをさせないのである。出過ぎずさりとて不足もなく、万全のサービスで蕎麦を食わせてくれる。これが関西の強味で、関東の蕎麦屋でよくみられるような、主人の手打ち蕎麦を鼻にかけた高飛車な客扱いなど、微塵も感じさせないのである。□(写真はネットから借用、最初の一枚は咲のコースター、次の4枚は大正庵、最後の4枚はそば辰のもの)