tokyokidの書評・論評・日記

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日記160925・納豆あれこれ

tokyokid2016-09-25

日記160925・納豆あれこれ
 半世紀ほど前のこと。大阪出身のK大生グライダー部員が合宿の朝食で納豆を出されて「これは何だ」と目を丸くしたことがあった。関東人の大学生で納豆を知らない者はいないから、江戸っ子の当方はそれを見て「大阪人は納豆も知らないのか」と逆に目を丸くしたことであった。聞けば当時の関西では納豆は売っておらず、見たことも食べたこともない、ということだった。時代は変り、いまでは関西のどこのスーパーでも納豆が並んでいないことはない。関西人も納豆を食べるようになったものと見える。
 戦前、いや戦後もしばらくの間は、東京の住宅地には朝早くから納豆売りの「ナット、ナット、ナット――」という売り声が入れ代わり立ち代わり響いていたものだ。江戸子は気が短い。「納豆」も「ナットウ」とは言わず、「ナット」と発音してしまう。江戸の朝は納豆で始まり、それが朝食の副食として欠かせないものであった。その頃の納豆は「藁づと」に入れられて売られていたものだった。戦後しばらく経ってそれが「経木」を使ってコンパクトな三角形に代り、前回の東京オリンピックの頃からはさらに今のような「ポリ箱」に代った。
 納豆の原料は大豆であるが、独特の香りとネバネバがあって、好みが分れる。私は大好物だ。健康食品としてももてはやされ、最近は良く売れているようだ。茨城県水戸の名物だが、そういうわけで日本中どこでも見られる食べ物となった。溶きからしと刻みネギを添え、うまい醤油で混ぜ合わせた納豆の味は朝の食欲をそそる。日本を代表する朝の味と言えるだろう。
 我が家には江戸時代からの物売りの呼び声の CD があって、懐かしい売り子の声を聞くこともできる。□(写真はネットから借用)