tokyokidの書評・論評・日記

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日記191101・ノーテン・ファイラー

日記191101・ノーテン・ファイラー

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 首都圏からそう遠くない観光地の駅前に、蕎麦屋があったと思ってくれ給え。その店は戸隠とか更科とか、藪とか砂場とかいう大層な名前の店なのである。もう10年ほど前のことだが、この店に入ったことがある。すると白髪交じりのザンバラ髪のバアサンがでてきて客の注文をとるわけだが、これがなんとあれにしろ、これにしろと客に注文するものを指示するのだ。これをみてその場で立って店を出てきてしまったが、その後この店には二度と足を踏み入れていない。

 こういうバアサンのような者をノーテン・ファイラーという。わたしが小学生だったころの悪ガキ仲間の日常用語であった。語源はわからない。今は昔、80年近く前の話である。

 それが令和の世のいまでも、日本にはノーテン・ファイラーがいくらも存在する。司法・立法・行政の中にも、教育界にも経営者の中にも、親にも子にも、普通人の顔をしてどの町にでも住んでいる人の中にノーテン・ファイラーはいる。

 わたしの子供のころ、ノーテン・ファイラーの別名を「ピンクル」とも言った。こちらの語源はわかっていて「ピントが狂っている」ということだ。英語でいえば、ロバート・キャパの名著「Slightly out of focus」ならぬ「Heavily out of focus」といった所か。それでいまどきのノーテン・ファイラーの写真は多過ぎて追い切れない。今回は代表的な外国人の一枚だけで勘弁してもらおう。

さて、賢明なる読者諸兄に問う。「客に注文品を指示するザンバラ白髪バアサン」と「他国の領土をカネで買うオファーをツイッターで出す某国大統領」の両者に人間性の差を見出すことができるのだろうか。それとも「同じ穴のむじな」と判断されるのだろうか。□

(写真はネットから借用)