tokyokidの書評・論評・日記

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日記161001・納豆の藁づとの用途

tokyokid2016-10-01

日記161001・納豆の藁づとの用途
 前回も納豆の話題だったが、そのとき「藁づと」の話をした。当時の納豆売りが「ナット、ナット、ナットーー」という売り声であったことも紹介した。戦後すぐは各家庭のガスがまだ復活していなかったこともあり、已むを得ずかまどを使って煮炊きをしていた家が多かった。
 その辺から拾ってきた木片などを燃料にしてたとえば羽釜に入れた米を炊くわけだが、最後にはまだこわれていない椅子などの家具を燃料にしたこともあった。かまどの火というものは、最初は木片を燃え上がらせるため、火つけの燃えやすい燃料が要る。それに使用済みの藁づとを使うわけだ。藁はよく燃えるから、立派に火つけの役に立った。ただ藁の燃えカスつまり灰は比較的多量に出るので、その始末に手がかかったことを覚えている。いまとなれば、かすかに納豆の焦げる匂いがしたのもなつかしい。
 いまは火を使って煮炊きをするのはアウトドアのキャンプばかりだろうが、戦後すぐは東京でも人々はそうして廃物利用をしながら煮炊きをしていたものだった。東京の銀座から富士山が見えていたころの話である。廃物利用といえば日本人の得意技で、江戸時代からモノを粗末にせずトコトンまで使い切ったものだった。
「消費は美徳」などと、カネモチ国のアメリカをマネして消費は美徳の時代が日本にも到来したのは承知しているが、私にはなにか乞食が大金をもらって始末に困っているような居心地の悪さを感じてしまう。□(写真は前回と同じものをネットから借用して使用)