tokyokidの書評・論評・日記

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日記150610・上野駅構内

tokyokid2015-06-09

 最近、といっても東北新幹線が通ってからの話だから、もう30年以上経っている。その頃から上野駅はあの煤煙と昼でも暗かった構内の印象とは別の道を辿っていたはずだが、私はそれを検分しないできた。その罪滅ぼしに、上野駅がどう変ったか、正面玄関方面だけだが探検してみた。
 印象をひとことで言うと、上野駅構内が明るくなった。もともと上野駅は東北方面への始発駅で、その長距離列車が発着する地面にある「櫛の歯」型つまり行き詰まりのプラットホームが並んだ部分と、近距離列車が発着する高架の部分とに分かれていた。それが地下深いところに新幹線のホームが出来、いまでは三階建てになったことが一番の変化だ。
 今回の写真はその地表部分というか、一階部分だけを取り上げている。上野駅も変ったなあ。とくに「櫛の歯」の改札口そとにある屋内広場は、ご覧の通りの盛況で、最近の駅どこでも見られる「アトレ」や飲食店が立ち並んでいる。それに反して「櫛の歯」部分のプラットホームは閑散としている。改札口前の広場に迷子にならないように作られた構内案内板も、しゃれた交通案内ふうのものに代わった。そこに数ある店のなかでは、アメリカ料理の「Hard Rock Cafe」があるのには驚いた。戦前東北は、北海道経由でカラフトからさらにシベリア、ロシア、ヨーロッパに通じる国内の道だった。であれば上野駅にふさわしいのは Hard Rock Café ではなく、むしろ Kiosk なのではないか。それに中二階の飲食店街へと導くホールのしゃれて広いこと。
 東北が変ったように上野駅も変った。戦前からの上野駅を覚えている身にとっては、そのことが痛感させられる駅の変容ぶりだった。それをいま辛うじて思い出させるのが正面玄関前に作られた「あゝ上野駅」のレリーフであった。蒸気機関車とそれに乗って東北各地から上野駅を通過していった集団就職の生徒たちが見える。それを最後に掲げておく。