日記150604・STOL機組み立て
川向うの墨田区は東京スカイツリーの街。その地でSTOL機の組み立てが行われているというので、見学に行った。STOL(Short Take Off and Landing)機とは、短距離・離着陸機のことである。
このSTOL機は二人乗りで、一定の条件さえ揃えば、なんとたったの27メートルで離陸が可能な固定翼の飛行機であるという。小学校のプールはふつう25メートルだから、あと2メートルあればこの飛行機は離陸できてしまうということだ。もっとも着陸にはそれより幾分長い距離が必要とのこと。
もともとは私の知人である小林博昭氏が、アメリカで購入したこの飛行機の組み立てキットが始まりで、小林さんの会社のある墨田区の技術屋集団の有志が、毎週水曜日の夜、墨田区立「すみだ中小企業センター」に集って組み立て作業を行っている。墨田区にはもともと、というか戦前から優秀な技術の蓄積があり、たとえば極細の注射器針を製作する会社などが有名だ。これだと人体に刺しても痛くないのだそうだ。墨田区にはこの種の技術の伝統があるので、STOL機を組み立てるくらいの技術などは「お茶の子さいさい」なのである。
小林氏らは、このSTOL機が完成した暁には、災害時の連絡用などに偉力を発揮できるのではないか、ということでまず一機組み立ててみることにしたそうだ。二人乗りということもあり、連絡用にはもとより、ある程度の貨物を載せることも可能とのこと。今年度末を目指して完成させるということだ。なおこのプロジェクトに関しては、産経新聞が積極的に取り上げて記事にしているから、既にご承知の向きも多いかと思う。門外漢の私もおおいに期待している。