日記141219・帽子をかぶってくれえ

　写真はよく見るテレビでの料理収録風景。三人のうち誰も帽子をかぶっていない。この三人か、この番組のプロデューサーか知らないが、プロ意識がまったくない、と言わざるを得ない。
　人間の頭髪は約10万本あると言われている。人間の細胞は時々刻々入れ替り、何個月かで全部新しくなるとも言われている。そして毎日抜ける頭髪は、人によるそうだが、50本から100本。すると頭髪だけで、一日60本として計算すると、ひとり平均一時間5本抜ける勘定だ。画面の3人で、一時間番組で15本抜けてもおかしくない。料理番組は短いから、15分としても4本ほど抜ける勘定だ。
　だからこそ正式のコックは、白い長い帽子をかぶるのだ。民間食堂の厨房に立つおやじさん、おふくろさんだって、ちゃんと帽子やバンダナや鉢巻きや手拭をかぶっている人はいくらでもいる。反対にかぶっていない人もたくさんいる。ある老人ホームでは、出される料理に髪の毛がまじっていて、あまりたびたびなのでその都度指摘すると、ただ配膳係が謝るだけ。いくら言っても厨房では帽子をかぶらない。業を煮やして、高い入居金をフイにして、新しくマンションを借りて自活を始めた人を知っている。
　料理をする人は必ず帽子をかぶって欲しい。私は食堂の料理人の頭をみて、帽子の類をかぶっていなければ、二度といかない。こんなの、いやだねえ、やめてくれえ、の見本を示した。