tokyokidの書評・論評・日記

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ルポ・有料老人ホーム体験宿泊記(その5)

tokyokid2008-11-12

5. 体験宿泊(3)中銀ライフケア
 この「中銀」グループは熱海・横浜・千葉・札幌の各地に展開する不動産業・有料老人ホーム業と定義することができると思われる。今回体験宿泊したほかの「介護付き有料老人ホーム」とは、その点でちょっと色合いが異なる。事業運営主体としての中核会社は次のとおり。
住所:東京都中央区銀座8丁目16番10号、中銀インテグレーション株式会社/電話(03)3545−9211/URL:www.carehotel.co.jp
中銀グループは首都圏や北海道などにも広く展開しているが、熱海地区だけで11個所の中高齢者専用マンションと、介護付有料老人ホーム1個所の運営をしている。ほかは横浜・千葉・札幌などである。前項、前々項で紹介したネオ・サミット湯河原やサンリッチ三島に相当する「有料老人ホーム」は、この中銀グループ(熱海)にあっては「中銀ケアホテル」ということになる。前述のごとくこれがいわゆる「有料老人ホーム」であり、他の11個所は「中高齢者専用マンション」なのである。今回体験宿泊したのは中高齢者専用マンション(以下「専用マンション」と称する)であって有料老人ホームではない。この点がほかの施設と決定的に異なる点である。(繰り返すが、今回は中銀グループ熱海地区の有料老人ホーム施設である「中銀ケアホテル」は見学も体験宿泊もしていない)
 中銀グループの専用マンションは、熱海地区の海沿いから山沿いまでの11個所に散在するが、いずれも「風光明媚型」のマンションである。マンションであるからには日常生活に支障のない人の入居を前提としており、それに食事のサービスがつく(後述するように有料)。また専用マンションには「協力医」として場所により「診療所」や「開業医」が指定されているが、そのほかに病院にいこうと思えば、一般のマンションの住民と同じ感覚で施設外の病院なり医院なりに自分でいかなくてはならない。
 体験宿泊したのは「中銀ライフケア・梅園台」であったが、ここを選んだ理由は、熱海に11個所ある専用マンションの中位の施設であるということからだった。この施設は一般のマンションと同じく居室が買取り制になっており、200万円(44平米の1LK)から1250万円(57平米、同)の価格帯の専用マンションである。宿泊するときもらったパンフレット類は「1.中高齢者専用マンション・Life Care」「2.中銀ライフケア・物件のご案内(A4・4頁)」「3.中銀ライフケア熱海のご紹介(A3.1頁)」「4.らいふけあデータ梅園台(A4・1頁)」「5.らいふけあデータ第三伊豆山(同)」「6.ライフケア梅園台体験宿泊のお客様へB4・1頁」」「7.なかぎんレポート和っしょい2008夏号B4・16頁、これは無料地域情報誌でなかなか豪華なパンフレットである」「8.中銀ケアホテル・特別会員コースのご案内(A4.6頁)」あと物件情報のパンフレット数葉を手渡された。特筆すべきはその価格構成で、たとえば筆者が体験宿泊した「梅園台」を例にとると次のようになる。専有44平米の1LKで、14階建ての8階、物件価格が680万円、別途預り保証金60万円、別途仲介手数料27万7200円、管理費月額1人4万6900円(1人追加ごとに2万3800円加算)、食費1日3食同1人3万9000円、修繕積立金同1万5000円、上水道基本料2210円、となっている。要するに専用マンションは買取り制だから、入居金はいらない代りに上記の費用がかかるというわけである。また将来この物件を手放すことになれば、買手をみつけなくてはならない。伝聞では、中銀・熱海の専用マンションの物件は、××不動産など一般の不動産会社では扱わない場合があり、その場合には中銀が仲介してくれるとのことであった。
 同じく手渡された上記「8」によると、中銀の専用マンションの入居者が将来「有料老人ホーム」である「中銀ケアホテル」に転居しようとすると「特別会員コース入会」を条件として、会員登録費用(1人510万円・2人915万円)」がかかる代りに入居一時金(1300〜2100万円)が不要とのこと。つまり過不足なく動けるうちは中高齢者専用マンションで過ごし、介護の必要が身近に迫ってきたときは有料老人ホームに転居する道が開かれていることのようだ。
 中銀ライフケア梅園台に実際に体験宿泊してみると、熱海駅からバス18分、バス停1分という立地であった。上記「1」裏表紙の地図によると、11個所のライフケア施設は大なり小なり熱海駅からは離れており、徒歩圏にあるのは専用マンションでは「ライフケア咲見」と有料老人ホームの「中銀ケアホテル」の2個所であった(各熱海駅から徒歩10分程度)。ほかに食堂と大浴場を経験したが、ほかの有料老人ホームの場合とさして変りがないように思えた。
 宿泊したのが山側の「梅園台」であったのに対し、途中で立ち寄り見学させてもらった「第三伊豆山」は海際に立地しており、目前の太平洋は素晴らしい眺めであった。ここは「風光明媚型」でも出色の施設である。だがここも熱海駅からバス7分であり、値段も梅園台にくらべるとヒトケタ違って、2千万円台、3千万円台となる。やはり眺めのいい部屋は高いのであった。梅園台の宿泊体験費は1人2000円であった。□