tokyokidの書評・論評・日記

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ルポ・有料老人ホーム体験宿泊記(その6)

tokyokid2008-11-17

6. 体験宿泊(4)サンラポール南房総(壱番館・弐番館)
 介護付有料老人ホーム・株式会社サンラポール南房総は、房総半島の中ほどにある「ロマンの森共和国」の敷地内にあり、「壱番館」「弐番館」の2棟からなる。壱番館の住所:千葉県君津市豊英355−1/電話(0439)38−2231/URL:www.sun-rapport.co.jp (弐番館は上述の壱番館と別の住所と電話番号を持つが、隣接しているので省略する)
 入居者募集と総合企画は「株式会社 三明」で行っており、こちらの住所は:東京都中野区中野4丁目2番12号で、これは「株式会社サンラポール南房総」と同じ。入居相談部の電話は(03)3319−3811。サンラポール南房総のほかに東京・目白と都下の調布にもそれぞれ「サンラポール目白」と「サンラポール調布」を持っている。
 体験宿泊のとき「1.サンラポール南房総パンフレット(A4・12頁)」「2.東京都消費者生活条例による表示(A4・24頁)」「3.サンラポール南房総交通経路(A4・10頁)」「4.入居のご案内・図面集24頁」「5.価格一覧&空室状況(A4・4頁)」「6・週間おこんだて(当該1週間分)」「7.アクティビティ月刊予定表(当該一個月分)」「8.サンラポールmail 2008年9月号」などを手渡された。
 気になる費用は壱番館と弐番館で異なる。弐番館のほうが多少広い部屋が用意してあり、その分高い。ひとつの重要なポイントは、壱番館には納戸がないが、弐番館には納戸がついている部屋もある。そこで主な費用だけを抜粋すると次のとおり。まず入居一時金は「壱番館」1人の場合1390〜2760万円(2人の場合は1790〜3160万円)、「弐番館」1人の場合2125〜4224万円(2人の場合は2737〜4836万円)である。以下管理費月額は「壱番館」1人の場合5万9850〜8万2950円(2人の場合7万4025〜9万7125円)、食費月額は1人1日3食で30日提供した場合4万9140円である。
 必要に応じて充実した介護サービスも提供される(これらは詳しく「2」の冊子に書いてあるのはほかと同じ)。認知症患者でも、ここでは追い出されることはないという。サンラポール南房総で特筆すべきは協力医療機関で、この施設はサービスのいい総合病院として全国的に有名な千葉県鴨川市の「亀田総合病院」を協力病院としていることである。そればかりではなく、サンラポール南房総の施設内に「サンラポール南房総診療所(診療科目は内科)」を設け、その診療所は亀田総合病院とオンラインで結んで患者のデータのやりとりをする能力があり、かつ(施設外の)地域住民にも開かれている。協力病院の亀田総合病院については、あとから項を改めて詳述する。
 宿泊体験ではいろいろ思い当たるフシがあった。サンラポールはもともと房総の山の中にあるので、東京からのアクセスのよさを強調する必要があり、それは体験宿泊の希望者をピックアップする場所が東京駅、横浜駅など多岐にわたることからも窺うことができた。たしかに昔は東京から南房総に行くといえば、JR内房線しかなかったが、いまは「東京湾アクアライン」と称する東京湾横断道路が完成して、交通の便がぐっと良くなり、くるまによる所要時間が以前の都心から東京湾沿岸を東京から千葉まで延々と運転して房総半島に至るという交通事情からは想像もできなかったほどに短縮された。定期高速バスも頻繁に走るようになった。
 もうひとつは、山の中にある施設だから、入居者が退屈してはいけないと、経営母体が一緒の「ロマンの森共和国」をうまく使ったりしてアクティビティが他にくらべて充実していることだ。ここはホテル、レストラン、キャンプ場などのほかにいちご農園やおもちゃ館やステンドグラス工房などがあり家族連れでにぎわうところだが、サンポール南房総の入居者には貸し農園もあるという。ボランティア活動も盛んで、入居者のなかにはこの「共和国」で働いている人もいるという。また施設内で行われる諸種のアクティビティ活動も盛んなように見受けられた。受け取った「7」には両面にわたってアクティビティの予定とサークル活動がぎっしりと書き込まれており、これは今回宿泊体験した他の有料老人ホームでは見られないほどの充実ぶりであった。
 宿泊体験費は4食付で1人5250円であった。筆者は東京駅中央口でピックアップしてもらい、翌日は鴨川の亀田総合病院に見学に連れて行ってもらった。□