tokyokidの書評・論評・日記

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ルポ・有料老人ホーム体験宿泊記(その14)

tokyokid2008-12-26

14.   附録情報その5・オリックスリビング/グッドタイムリビング「香里ヶ丘」
・・・・・ここまで書き進んできたとき、前項の知人が「オリックス・グループが運営する新しいスタイルの老人ホーム」という日本経済新聞2008年10月17日付の18面全面広告の切り抜きを郵送してきてくれた。オリックスはグループ内にいろいろな事業会社を抱えているが、そのうちのオリックス不動産を核にして、「住宅型」の老人ホームビジネスに打ってでた模様だ。当面の企業活動は関西方面に限られているようで、この全面広告には「グッドタイムリビング」の「尼崎駅前」「泉北泉ヶ丘」「香里ヶ丘」の3個所が具体例として挙げられている(ほかに池田緑丘ほか数個所も広告にあるが、これらは満室らしく、価格の情報が書いてないので割愛)。そのうちから入居一時金がもっとも高い「香里ヶ丘」を選んで前述の首都圏の4個所と同じ要領で価格情報を並べてみる。そのなかから主な費用だけを抜粋すると次のとおり。まず入居権利金(これは解約時に返金されない)として236万2500円(2人の場合は451万5000円)、入居一時金(5年均等償却)が675万円(2人の場合は1200万円)、以上入居時にかかる権利金と一時金の合計が911万2500円(2人の場合は1651万5000円)、以下月額利用料として家賃6万円、管理費9万4500円、食費6万3000円の計21万7500円(2人の場合は40万4000円)である。ほかの「尼崎駅前」と「泉北泉ヶ丘」は、「香里ヶ丘」よりも心持ち安い値付けがなされている。
 「香里ヶ丘」は場所が(地価の高い首都圏ではなく)関西ということもあって、不動産を売買するのではない「権利金型」の有料老人ホームとしては、入居時に必要とされる金額は安いといえる。ただ月額利用料の設定額は「湯河原」「三島」「熱海」「南房総」が13万円台から高くても16万円台であるのに対して、この「香里ヶ丘」は21万円台(いずれも一人の場合)と突出して高く、これで帳尻を合わせていると見ることもできる。だが「入居時必要額」と「60個月(5年間)支払額」の合計では、やはりこの「香里ヶ丘」が一番安くつくことも慥かなのだが、長生きするに従ってこの差は縮まる値付けになっているのも事実である。つまり経営側からみれば、長寿命化社会対応型の値付けなのだ。
 この全面広告には当然数々の売り文句が並んでいるが、筆者には「アクティビティ」のことがなんにも触れられていないことが不安材料となった。もしここに体験宿泊するならば、この点は是非確認しなければならない。所在地からみてこれら3個所は「都市型」の老人ホームなのだろうが、それにしてもこの点は入居者にとって重要関心事である。なお当然ながら筆者は「オリックスリビング」の経営する老人ホームはまだどこも体験宿泊していないので、そのむねお断りしておく。やはり「老人ホーム」に入居しようとすれば、自分で体験宿泊をして、自分の目で確かめなければならないことがたくさんある。□