日記191221・いちばん住みたい町
日記191221・いちばん住みたい町
わたしが「いちばん住みたい町」はどこかと聞かれれば、迷わず「兵庫県芦屋市」と答えたい。ここは日本で有数の、というより唯一の住みたい町なのだ。理由はただひとつ、このまちのたたずまいにある。写真を見てくれ給え。
聞くところによると、この町は土地の所有権を移転するときに、4000平米以下に分割させないのだそうだ。道理でお屋敷町は整然と広く敷地がとってあって、少しもせせこましいところがない。日本を代表するおカネモチがこの町に自宅を営むゆえんである。
住んでいる人に経済的なゆとりがあると、ふだんの生活にもゆとりが生まれる。この町の主婦が「芦屋夫人」などと羨望の意味を込めて呼ばれるゆえんである。芦屋夫人は着るものの趣味がいい。同じ雨の日のたたずまいでも、服装から傘から足元まで、ゆったりと余裕があるのだ。先年この町の大通りに面したベーカリー・カフェで朝食をとっていたとき、店の前のバス通りを行き交うご夫人連が、なにか日本離れしていて、まるでロンドンの町のカフェにでもいるような錯覚を覚えた。東京の成城学園前や日吉に往事の面影は失われたいま、関西にあるこの町の稀少価値がますます高まる。
さすが西洋の影響が濃い神戸の隣町で、人の選り好みをせず、誰でも居心地良く過ごせる。もっともこの町の雰囲気をこわすような行動がなければ、の話だろうが。百聞は一見に如かず。いつか行ってみられるといいと思う。□
(写真はネットから借用)