tokyokidの書評・論評・日記

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日記140518・2014 新宿ジャズ祭

tokyokid2014-05-18

 今回は流れからちょっと逸れて、号外風コメント。
 今年も新宿ジャズ祭に行ってきた。このところ毎年行っている。
 このジャズ祭は古いジャズすなわち「Trad Jazz」が売物なのだ。私の本命はそのなかでも「dixieland jazz」と呼ばれるジャンルのもので、この jazz の演奏は現在本場アメリカでほとんど聞かれなくなってしまった。これはむしろいま日本を含む海外での演奏活動のほうが盛んなようだ。このことは、新宿ジャズ祭を見ていても、トランペットにしろトロンボーンにしろクラリネットにしろ、多人数の「サミット」と呼ばれるプロプレヤーのステージが成り立つことからも推察される。ところでいまようのジャズは珍しくもないが、こうした伝統的なジャズをこれだけ大規模に聴くチャンスはそうない。だいたいいまの人は、ジャズというと「ビーバップ以来」と思っているらしいが、なになに、ジャズの起源はアメリ南北戦争直後に軍が払い下げた軍楽隊の楽器が当時貧しくて楽器など買えなかった黒人の手に渡ってから、というのだから、ついこの間、戦後のビーバップどころの話ではない。ニューオーリンズがジャズ発祥の地、といわれているのは、読者諸賢がとっくにご存じのことだろう。
 駅を降りると、新宿界隈は昔とすっかり変っていた。大きなビルが林立しているのは当然として、街を歩いている日本人より外国人のほうが多い、という印象なのだ。それも彼らが街角でしゃべっているのを聞くと、聞きなれた英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語ではなく、東欧やロシアの言葉らしい。もちろん大声の中国語や韓国語はやかましいほど聞こえてくる。このような状態になったということは、よくいえば日本の国際化もここまできた、ということだろうか。でもこれが歓迎できる状態かといえば、決してそんなことはない。いまどきの「島原大変、熊本迷惑」にならなければよいが。帰りは夜で、ラスベガスかと見まがうネオンが輝いていた。
 写真は今年の新宿ジャズ祭のスナップ。子どもが舞台で演奏しているオヤジさんにまとわりついていたり、楽屋で派手な衣装のおネエさんが出演の準備をしていたり、若い女性がトランペットのソロを吹いていたり、そうかと思うと「クラリネット・サミット」と称して、いま日本で聞けるプロのクラリネット奏者8人を集めてソロでつないだり、とよく見ると面白い光景がいっぱいと思うよ。日本のジャズもここまで来たんだねえ。