tokyokidの書評・論評・日記

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日記131005・静岡県沼津市

tokyokid2013-10-05

 東海道新幹線三島駅はあるが、沼津駅はない。この両市は隣り合わせで、人口は沼津のほうが多い。静岡県を大別した場合、西部の浜松市、中央の静岡市と並んで、東部の沼津市は地域を代表するトップ都市なのだ。いえば新幹線に浜松駅、静岡駅があって沼津駅がないというのは、不可思議な現象なのだ。しかも伊豆半島の付け根に当る三島市に漁港はないが、沼津市には駅からバス15分ほどの範囲で景色のいいりっぱな沼津漁港がある。それなのになぜ新幹線三島駅は存在していて、新幹線沼津駅は存在しないのか。
 地元の人にいわせると、それは新幹線誘致合戦が盛んだった当時、時の革新系沼津市長が新幹線沼津駅の招致に反対したからだという。物理的なことをいえば、当時の沼津駅は操車場があって新幹線駅の建設用地には事欠かなかったはずだ。新幹線駅が三島駅に建設された結果、いまは新幹線・従来線併設の三島駅前はそれなりに繁盛していて、従来線だけの沼津駅前は立派な建物が並ぶ割には人が少なく、あまり繁盛しているようには見えない。
 革新系であろうと保守系であろうと、責任者に先を見る眼がないとこういうことになる。もっともその時の沼津市長は、新幹線なんか誘致しないほうが、たとえ沼津市が発展しなくてもいい、と考えたのかも知れない。でもこうしてどこの自治体でも政策を「経済第一」として目の色を変える時代になると、いかに高邁な理想を持つ市長といえども「武士は食わねど高楊枝」と澄ましているわけにはいかないだろう。食わない、食えないのは市民であって、自分ではないのだから。このときこの市長は、市の将来像を描くということに関して「男の仕事は先を見通すこと」をきちんとしたのだろうか。
 写真は現在の沼津駅前と、沼津漁港からみた富士山。