tokyokidの書評・論評・日記

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日記131010・野球とベースボール

tokyokid2013-10-10

 日本の野球とアメリカのベースボールはどこが違うか。まずゲームそのものが、アメリカでは国技であり、日本ではあまたのスポーツのひとつでしかない、ということが挙げられるだろう。
 では具体的にどこが違うか。二枚の写真を見ていただきたい。
 最初の野球事典はトータル・スポーツ社の1999年度版・第六版だ。写真は表紙だが、厚みは約七センチもある大部な本だ。発行当初$59.95であったものを年遅れでたったの$14.98で手に入れた。日本では再販制度があるために、新本の値引き販売は認められていないが、自由なアメリカではこういうことが起る。消費者にはありがたい。この本を見ると、このときまでの歴史上の大リーグ・プレヤーたちの成績がたちどころにわかる。たとえば野手部門の強打者・ベーブ・ルースは1895年2月6日生れ、出身地はメリーランド州ボルチモア。大リーグには、1914年から1935年まで在籍し、2503試合に出場し、714本ホームランを打ち、生涯打率は .342 であったことがわかる。このホームラン記録は、1976年を最後に引退したご存じハンク・アーロンが755本の新記録を出したが、それでも偉大な記録であることに変わりない。投手部門で火の玉投手といわれたボッブ・フェラーは1918年11月3日生れ、出身地はアイオワ州ヴァンミーター。大リーグには1936年から1956年まで在籍し、266勝162敗、勝率 .621 で奪三振 2581 だったことがわかる。この勝率は、短期在籍の選手を除けばすごい記録で、彼がナミの投手でなかったことを示している。ちなみにわれらがヒデオ・ノモの1995年から1998年までの記録は49勝41敗、勝率.544 だった(ノモは2008年まで大リーグに在籍したから、これは生涯記録ではない)。
 あとの写真は、これまたアメリカ国民に熱狂的に愛され、毎試合七回になると観客が立ち上がって必ず歌う「Take Me Out to Ballgame」のVHS映画表紙。一時日本でも七回になると、観衆が一斉に立ち上がって伸びをする習慣があったが、いまではそれも消え果てた。ましてやこの歌を歌うなんてこともない。その代りに愚にもつかないチアガールのパフォーマンスをプロ野球の正式試合でやっている。アメリカでは、あれはマイナー・リーグの試合で子供連れを喜ばすためにやるもので、大人の観客を相手にする大リーグでは決してやらない。
 このような歴史全体にわたる在籍選手のデータを集めた大部の「野球事典」は、私の知る限り日本にはない。そこには国民のこのスポーツに対する愛情の差が見える。日本国民のわたしとしては、日本の国技の相撲に、アメリカの野球ほどの国民の熱狂度がなくて悲しい。