tokyokidの書評・論評・日記

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日記130801・昭和12年の航研機

tokyokid2013-08-01

 昭和12(1937)年5月25日の昔に初飛行した日本の機体で、当時の周回航続距離で世界記録を達成した飛行機があった。当時の東京帝国大学航空研究所の設計で、東京瓦斯電気工業社製の機体であった。生産機数はたったの一機であったが、この飛行機は昭和13(1938)年5月13日に木更津→銚子→太田→平塚→木更津の一周401キロのコースで飛行を開始した結果、62時間余で29周し、10,651キロの周回航続距離の世界記録を樹立した。平均速度は186キロ/時であった。
 記録によると、この飛行機の諸元は以下の通り。
 全長:14.6m、全幅:28m、全高:3.14m。
 エンジン:BMW製液冷V12気筒型ガソリンエンジン
 燃料総容量:7,000リットル
 最大航続距離:16,000km
 最大速度:260km/時
 巡航速度:200km/時
 乗員:3名
 この機体は、敗戦まで羽田飛行場(現在の羽田空港)に残っていたが、進駐してきた米軍が軍用機とみなし、飛行場内の鴨池という池に埋没させたといわれる。現在では青森県の三沢航空科学館で実物大のレプリカを見ることができる。
 私が70有余年前のこの飛行機をなぜ問題にするのか、次々回のブログで明らかにするが、この昔の日本に、長距離飛行の世界記録を樹立した飛行機が存在したことが、特記に値することだからだ。換言すれば、当時から日本には長距離飛行という概念が存在していた、ということだ。
 写真は昭和14(1939)年12月1日発行の12銭切手と当時の航研機の雄姿。いずれもネットから借用した。