日記130805・いまも現役の高高度偵察機U−2
写真の一枚目を見てほしい。これは今年2月、カリフォルニア州パームデールにあるブラックバード・エアパークで買った、アメリカの高高度偵察機U−2の50周年記念のマウスパッドだ。よくみると1955(昭和30)年から2005年の50年となっており、今年はすでに2013年であってしかもU−2はいまだに米空軍の現役の制式機であるから、もう58年もの長い間実際の偵察に使われ続けているのである。U−2の後継機として開発された SR−71 は既に現役を引退しているので、U−2は半世紀以上にわたる、まさに異例の長きにわたって現役の偵察機であり続けているといえる。
U−2の諸元・特徴は次の通り。
全長:19.13m、全幅:31.39m、全高:4.88m。
製造会社:ロッキード社
エンジン:GEターボファン・エンジン1基
最高速度:M0.8(マッハ0.8)
航続距離:7,400km
飛行最高高度:27,000m(89,000ft)
定員:1名
初飛行:1955(昭和30)年8月1日
生産数:86機
運用状況:運用中
U−2が開発されたころ、この飛行機が飛ぶ27,000メートルの高度に届く高射砲の砲弾や、戦闘機はなかった。いまでも商業用旅客機が飛ぶ高度は10,000m程度である。また7,400キロという長い航続距離を持つ偵察機もなかった。のちに地対空や空対空のミサイルが開発されて、U−2もこれらの新開発の武器によって撃墜されることもあったが、それでもこれらの最新鋭の武器を持たない地域においては、いまでもU−2の偵察飛行はかけがえのない情報をもたらす。つまり地上数百キロ(百キロは100,000m)の偵察用人工衛星からみればはるかに低い高度を飛ぶU−2は、衛星よりはるかに精密な地上の写真を撮ることができるのだ。
写真はU−2の50周年記念マウスパッド、ブラックバード・エアパークにある実機、飛行中の写真2葉、それにU−2乗員が着る飛行服である。マウスパッドとエアパーク実機写真以外はネットから借用した。次回はいよいよ航研機とU−2の記事から、日本の進むべき道を示す。