日記130726・身体の痛み始める頃
昭和のむかし、宝塚歌劇に「すみれの花咲く頃」という唄があった。当方は喜寿を過ぎて最近「身体が痛み始める頃」を痛感している。
現役の頃は、「老人はなんでああ動きがノロノロしているのか」と思っていた。駅の階段で手すりをつかんでソロソロと降りる老人、路上でも杖を使わないまでもビッコを引き引き、ノロノロと歩む老人。杖を突いていれば、どこか悪くて杖がなければ歩けないのだろうと思うくらいのことで、動きの原因が痛みであることには、思いが遠く及ばなかったのである。
ノロノロとしか動けなくなる老人になると、否応なく自分が周囲に迷惑をかけていることを自覚せざるを得ない。いまのところ駅の手すりに厄介になったり、時には杖を突いて人混みのなかをノロノロ歩いたりする程度の迷惑の掛け方だが、最近は駅のプラットホームに上がるのにエレベータを使う頻度も上がってきた。ついこの間までは階段を駆け上がっていたのだから、自分としては変りに変わったものだと感じざるを得ない。
世の若者諸君。ノロノロ動いている老人を見たら、その人はどこか痛くてさっさと歩くことができないのだ、と解釈してやってくれ給え。そしてもしその人が大きな荷物を持っていたら、「ちょっとそこまでお手伝いしましょうか」とひと声かけてやってくれたなら、これはもう言うことはないのだが。