tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

日記120406・五万円札・十万円札

tokyokid2012-04-06

日記120406・五万円札・十万円札

 平成24年(2012)現在のこんにち、まだ五万円札と十万円札は世の中に流通していない。しかし「男の仕事」は「先を見通すこと」であるとすれば、五万円札や十万円札が世の中に出現するのは、もう時間の問題だろうと思わざるを得ない。
 現在の最高額紙幣であるところの一万円札が世に現れたのは昭和33年(1958)12月1日のことであった。日本経済の高度成長期が始まったころのことである。戦後すぐ見られた猛烈なインフレは、このころはもうある程度収まっていた。しかし現実の取引に当時もっとも使われていた千円札は、いかにも少額で使い勝手が悪くなってきていた。たとえば現金取引を原則とする不動産取引を見ても、数百万円、数千万円を千円札で用意するということはもう現実的ではなかった。そのころの千円札の貨幣価値のなさ加減は、現在の一万円札に匹敵する。いま一万円札をくずしたが最後、アッという間に雲散霧消してしまうのは、私どもが日常よく経験するところである。
 また現在国や自治体の借金は世界最悪、天文学的数字といえる1千兆円に及ぶ。これは年間国家予算の10倍以上、国民が1年かかって稼ぐところのGDP年間約五百兆円の二倍に当る。借金はいずれ返さねばならないとするなら、日本国はこれからこの借金を、国民全部で返していかなければならないのだ。
 ただ国の借金を返さなくていい、安易ではあるが国民生活に極端な犠牲を強いるところの、取っておきの方法がひとつある。それは猛烈なインフレを起こすことだ。そうすれば、貨幣の価値が下がって、それまでの借金を事実上棒引きにできる。一種の徳政令のようなものだ。そのためには、物価を上げて貨幣の価値を下げ、高額紙幣を発行してインフレをあおり、結果として国の借金を減らす、という選択肢が考えられる。そのための第一歩として、五万円札や十万円札などの高額紙幣の発行は必須である。これらの高額紙幣が世に現れるとき、われわれ国民は、いやおうなくインフレを実感することだろう。これは「国の借金をどうするか」という政治の世界の話でもある。これからの政治・政局ひいては政党の動きから目を離せない。
 さっそく先日野田首相と白川総裁が会談して、デフレ対策として「インフレ率1%」に政策を誘導することが決まった。戦前戦後の例でいえば、開戦年の昭和16(1941)年に16銭(円ではない)だった「もり・かけそば」が、戦後昭和24(1949)に蕎麦屋が再開されたときは15円だった(値段の風俗史・週刊朝日編・朝日新聞社刊)。だとすると、わずか8年間にしてその間の倍率は無慮100倍。2012年のいまは約800円、とすれば戦後67年経ってその間の値上り率53倍。蛇足だが、平時でも物価は10年間で150%以上値上がりするものなのだ。これがインフレでなくてなんであろうか。そしてインフレなんて政府・日銀がたとえ1%といえども、目標を設定して誘導しなければならないものだろうか?
 インフレ誘導政策1%と言っても、そんなにうまく行くのかな??????いざインフレが起れば、1%なんて数字はどこかに吹き飛んで、何十倍、何百倍になるのでは?????その結果庶民の生活は塗炭の苦しみを味わうでは?????そのときノウノウとしていられるのは、エライ先生方だけではないのか?????
 いまの千円札は野口英世、五千円札は樋口一葉、一万円札は福沢諭吉の肖像がそれぞれあしらってあるが、五万円札、十万円札は誰になるのだろう?□