tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

日記200111・世の中変った

日記200111・世の中変った

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この30年間に世の中は確実に変った。きょうはある物価から見てみよう。

私どもは1993年に長期の予定で外国生活を送ることになったので、その頃の日本の物価レベルは記憶に残っている。その記憶がきょうまで続いているので、当時の物価の記憶はいわばカンヅメ状態で私どもの記憶に残っている、ということになる。

 当時日本はまだバブルの末期で、ゴルフのプレー代が、それほど特別にいいコースでなくても、平日ならワンラウンド15,000円くらいしていたと思う。そして当時一般にうな丼は2000円未満、うな重3000円未満くらいだったと思う。それがいまでは平日の
ゴルフのプレー代が食事つきで
5000円程度で済むコースがいくらでもある。一方うなぎのほうは、安いところでうな丼一杯4000円、うな重5000円くらいする。既報のとおり、先日伊東でうな重一杯6700円の店外メニューを見た。話は戻ってそのころ私どもは、アメリカ西海岸のコースで、ワンラウンド30ドルくらいでプレーできたので大感激だった。ドル100円として、日本では15,000円かかるのにアメリカではたったの3000円、つまり5分の1の値段で済んだからである。それがどうだ。四半世紀後のいまでは物価が完全に逆転し、食事付きのゴルフのプレー代よりもうなぎのほうが高いことになってしまった。

 ゴルフこそしなくても生きていける私のような人間は、たまには大御馳走のうなぎにはありつきたい。そのような人間には、この世はまことに生きにくい世の中になってしまった。これで孫子(まごこ)の時代になったら、もっと生きにくい世の中になることだろう。すると民族間の軋轢から戦争の危険度も増す。ああいやだ。それまでにこちとらはこの世におさらばするだろうから、どちらでもいいと言えば言えるのだが。□ (写真はネットから借用)

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日記20101・そして日本人は働かなくなった。

日記20101・そして日本人は働かなくなった

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 一年の計は元旦にあり。長年の習慣で今年のカレンダーをみてみた。2020年の祝日はなんと16日。元旦、成人、建国記念日天皇誕生日春分、昭和、憲法記念、みどり、こども、海、スポーツ、山、敬老、秋分、文化そして勤労感謝。年間半月以上が祝日だ。これになんというのか、休日を月曜日に移動させるものもあるから、三連休を数えたらいくつになることか。ちなみに昨年末1228日(土)から今年一月5日(日)まで、なんと年末年始は9連休だ。昔の馬車馬にはバカバカしくてやってられない。それにしても日本人は働かなくなった。GDP が落ちて当り前、だろう。 

 試みにアメリカの祝日を調べてみた。アメリカ全国で休むいわゆる「連邦祝日」は次の10日。

 

  • 1月1日、元日、New Year’s Day
  • 2月17日、歴代大統領を称える日、President’s Day
  • 5月25日、戦没将兵追悼記念日、Memorial Day
  • 9月7日、労働感謝の日、Labor Day
  • 10月12日、先住民の日、Indigenous Peoples Day
  • 11月11日、復員軍人の日、Veterans Day
  • 12月25日、くりすます、Christmas Day

 

 

以上10日のうち、3連休が6回。もしかして今年の独立記念日は土曜日だから月曜日を振替休日にするとしても7回。9連休なんてどこにも見当らない。

 以前日本人は「働かないアメリカ人」と嘲笑していた。いまはアメリカ人から「休んでばかりいてちっとも働かない日本人」とバカにされる番だ。試みに国営または国営に準じる経営の郵便局をみてごらん。アメリカでは土曜日でも朝9時から午後の2時まで通常通り開く。日本の郵便局は通年で土日と連休だ。平日は勤務で、土曜日しか郵便局に行けない一般の勤め人はどうするのだろう。誰も彼らの為には考えない、働かない。

 問題は日本でこれほど祝日が多いにもかかわらず、休めない人が多いことだ。いわゆるブラック企業の従業員がこれに当る。これが大問題なのだ。要するに日本の祝日は役人と大企業の従業員のためにある。もちろん政治家も同類だ。そう断じて間違いはなかろう。もりかけを食っていればいい総理なぞはこの苦労はわかるまい。わかろうとすらしないだろう。ならば野党が結束して・・・・・とならないのが日本だ。自分がよければ他人のことはどうでもいいのである。ま、人間誰しもそうなのだが。とりあえず日本の祝日を半分に減らしたらどうだ。どうせそのうちに日本でも「戦没将兵追悼記念日」や「復員軍人の日」を増設しなければならなくだろうから。□

(写真はネットから借用)

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日記191221・いちばん住みたい町

日記191221・いちばん住みたい町

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 わたしが「いちばん住みたい町」はどこかと聞かれれば、迷わず「兵庫県芦屋市」と答えたい。ここは日本で有数の、というより唯一の住みたい町なのだ。理由はただひとつ、このまちのたたずまいにある。写真を見てくれ給え。

 聞くところによると、この町は土地の所有権を移転するときに、4000平米以下に分割させないのだそうだ。道理でお屋敷町は整然と広く敷地がとってあって、少しもせせこましいところがない。日本を代表するおカネモチがこの町に自宅を営むゆえんである。

 住んでいる人に経済的なゆとりがあると、ふだんの生活にもゆとりが生まれる。この町の主婦が「芦屋夫人」などと羨望の意味を込めて呼ばれるゆえんである。芦屋夫人は着るものの趣味がいい。同じ雨の日のたたずまいでも、服装から傘から足元まで、ゆったりと余裕があるのだ。先年この町の大通りに面したベーカリー・カフェで朝食をとっていたとき、店の前のバス通りを行き交うご夫人連が、なにか日本離れしていて、まるでロンドンの町のカフェにでもいるような錯覚を覚えた。東京の成城学園前や日吉に往事の面影は失われたいま、関西にあるこの町の稀少価値がますます高まる。

さすが西洋の影響が濃い神戸の隣町で、人の選り好みをせず、誰でも居心地良く過ごせる。もっともこの町の雰囲気をこわすような行動がなければ、の話だろうが。百聞は一見に如かず。いつか行ってみられるといいと思う。□

(写真はネットから借用)

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日記191211・汁粉とぜんざい

日記191211・汁粉とぜんざい

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 冬になった。汁粉やぜんざいの季節だ。

 日本にはうまいものがたくさんある。汁粉やぜんざいもそのひとつだろう。昔はひっくるめてこれらを「甘味」といった。砂糖は貴重品だったのである。明治の写真集などを見ると、町には「砂糖屋」があって、進物用として売れていたらしい。砂糖だけで商売が成り立ったのであった。だから砂糖をふんだんに使う汁粉やぜんざいはご馳走であった。

 日本人はなにか見ると改良しなくてはいられない国民性だから、たとえば汁粉でも懐中汁粉というものが昔からあった。粉末状になった汁粉が紙袋に入っていて、椀にあけて熱湯を注げば出来上がり、という簡単なものだ。これはいまでもある。

 それでは汁粉とぜんざいはどう違うのだろうか。ふつうは一々区別しないと思うが、いちど疑問を持ってしまうと気にかかるものだ。

 G検索すると、その違いは「汁気のあるなし」「こしあん粒あん」「地域での呼び方」などと説明がでてくる。ほかに「御膳汁粉」や「田舎汁粉」などもあるが、総じて「小豆を砂糖で甘く煮て、餅や白玉を添えたもの」を「汁粉・ぜんざい」であるらしいから、小さな違いはどうでもよかろう。

 亡き母がつくってくれた汁粉にまずいものはなかったから、それでいいのではないか。□

(写真はネットから借用)

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日記191201・みんなで医療保険制度を守ろう

日記191201・みんなで医療保険制度を守ろう

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 先週地域で一番大きい大学病院の皮膚科で受診した。ドクターが親切にみてくれて、塗り薬を二種類処方してくれた。この時は先月医療保険の支払が1割から2割に上っていたはずだったが、それでも支払は全部含めてたったの160円だった。1600円ではなく、たったの160円ですよ‼ このとき東南アジア系、おそらくは中国人か韓国人なのか外国人ふたりが、支払いの列に割り込むのを見た。次に並んでいたのは日本人のおばあさんだったがその人はなにも言わず、その後ろに並んでいた十人ほどの人も含めて、結局その外国人の行動を誰も咎めなかった。他人事ながらこれには腹が立った。

 その前に不整脈がでて、同じ病院の内科で診てもらった。このときはレントゲンと心電図を撮ってもらって、心臓の薬を二種類処方してもらった。支払額はちょうど1000円だった。これも2割負担だったはずなのに、常識外といえるほど安かったのには驚いた。

 もう半年ほど前だったので、そのときはまだ一割負担だったと思うが、かかりつけの歯医者で、80円という請求額に驚かされた。もっともそのときの治療は簡単で、抗生物質の薬剤を歯の間に詰めるだけのことで、ドクターの手間も5分とはかかっていなかったとは思うが、それにしてもいまどきたったの80円の請求だ。事務を扱っている女子が正当に給料を支払ってもらっているのか心配になった。なにしろ支払はフタケタの80円ですよ‼

 いま国は医療保険の赤字額がかさんで、医療保険制度が成り立っていくのかどうかの瀬戸際にあるはずだ。一方受益者負担がこんな常識外に安いのはおかしいのではないか。日本の医療制度はいい制度なのだから、みんなで負担して、制度そのものは残していかなくてはならない。ある日突然厚労省から「医療保険は破綻しました。これからは全額受益者負担になります」といわれても、われわれ国民は困るのだ。もともと保険というものは、支払えないほど多額な請求額を、毎月保険料を支払うことによって可能にするのが目的のはずだ。例えば心臓交換などの大手術で支払額が1000万円にもなったとする。それを保険に助けてもらうのが本来の保険の在り方だろう。受益者にとっても80円だけの支払で済んだと喜んでいる場合ではない。日本の役人にはアタマのいい人が揃っているのだから、早く対策を立てて医療保険制度を守ってもらいたい。それには加入が一定期間受益者全額負担など、現在の医療保険を破産から守るドラスティックな施策が必要だろう。私は負担額が5割でもかまわないと思っている。その代り、たとえば一件100万円を超す多額の請求額に対しては、負担率を下げれば済むことではないか。みんなで医療保険制度を破綻や外国人など保険料もろくろく払っていない人の格安受診から守っていかなくてはならない。ご同意いただけますか? □

(写真はネットから借用)

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日記191121・他画像

日記191121・他画像

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 自分のことを自分で書いたら「自画像」。ならばひとさまが私のことを書いたものは当然「他画像」であろう。これで題名はできた。あとは他人さまの原稿を借用といこう。

 

《以下引用》

題・お茶飲み爺さま

日本へ行くたびに訪ねる爺さまがいる。今は熱海に住んでいるが、八代続いた生粋の江戸っ子だ。江戸時代、生家は両替商だったそうで、居間の隅に「両替」の看板と千両箱が置いてある。本物だ。私は時代劇を思い出した。

「想像していたよりも小さいですねぇ、へぇーこれが千両箱ですか。ネズミ小僧が大店の蔵から盗み出し、千両箱をかついで屋根伝いに逃げるのは、これだったのですね」

 うわずったような声でいうと、

「いやいや、あのねぇ、××さん」

爺さまはいった。

「千両も入った箱は一人じゃもてないよ」

そりゃそうだ。1ドルコインでも30枚持つとずっしりと重い。小判が千枚だと、どれほどの重さになるか見当がつかない。

「今のお金に換算すると億だね」

と、江戸っ子が自慢の爺さまはいう。だから、というのかどうか彼の人生訓は「いなせ」である。いなせとは「鯔背」と書いて、男は粋で勇み肌でなくてはならないという。地方育ちの私にはよく分からない。

「じゃあ女はどうなんですか?」

即座に「おきゃん」と、返ってきた。「お俠」と書く。女は活発で腰が軽くなくてはいけない。「腰が軽いのと、尻の軽いのとは意味が違うよ。おきゃんの方は腰が軽いんだよ」と、注釈を入れた。たしかに「尻軽女」といえば、語感がよくない。「腰が軽い」といえば、きびきび働くイメージがある。爺さまの特徴は日本語にうるさい。ちょっとした間違いでもすぐ指摘する。Eメールでさえ変換間違いを送信すると、すぐいってくる。一度など「先生」を「1000生」と打って送った。

「なんですか、あれは。送信のまえに読みかえさないから、こういう間違いがおこるのです」

先日、こんなことがあった。

「古希」が七十歳であることくらいは常識であるが、爺さまが言うには、この漢字も文部省(今は名称が変っているが)が決めた誤字当て字のたぐいだという。もともと杜甫が「人生七十古来稀なり」とした言葉からきたのだから、いくら「稀」の字が当用漢字にないからといって意味の通らない「希望」の希を国民に使わせるのは憲法違反だと、薄くなった頭のてっぺんから湯気を立てて怒っている。私に怒ってもしようがないと思うが、茶飲み友だちのよしみで適当に相槌をうちながら聞いている。 

爺さまは、日本語にうるさいくらいだから自分で書く文章にもこだわる。何冊か著作もある。古今東西の事象についても詳しく、博学である。現役中は某日本企業の海外社長をやっていた。満60歳のときに定年退職をし、気候のよい南加に東部から移住してきた。はて趣味はと考えたときに浮かんだのが古籍で読んだ江戸狂歌だった。が平成の世に狂歌の会はない。そこで川柳でもやるか、川柳しかやるものはないと、首をつっこんだが最後、のめりこんでしまった。そのころ私と爺さまは出会ったのである。

当地の小冊子TV-fanにお互いエッセイを書いていた。

「おしゃべりの会にきませんか」

私は夫を亡くしたばかりの2001年7月だったので、出かける先があればどこでも良かった。紅一点、恐れもなく出かけたが、発言する能力もなく、ひたすら聞き役にまわった。この会はのちに369会という読書会へとつながっていくことになるのである。

会を立ち上げた直後、爺さまは老後の医療などを考えて日本へ引き揚げてしまった。会は置き土産となった。

爺さまの奥さまというのがなかなかの才媛だ。イギリスへ駐在しているころに知り合って結婚。いまでも、お互い「ちゃん」づけで呼び合っている。

私を川柳へ導いたのも爺さまだ。2017年に「とんぼ川柳」を立ち上げた。そのとき選者をお願いし、指南役にまでなってもらい、あれこれアドバイスをもらっている。だから、私より一日でも長生きしてもらわないと、困る。祈るような気持ちなのである。(××女)

《以上引用》

 

 いやはや、他人さまの目というものは・・・・・なのであるが、自分としては「ゲーリー・クーパーの向こうを張れる美男子・・・」とか「戦前・戦中の日本を覚えているのはオレが最後の世代だぞとばかりに自信に溢れた顔」だの「いつもあなたが頭の後側で考えていることは見通していますよといわんばかりの温顔」などの誉め言葉が一向に出てこなかったのが不満なのだ。□

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日記191111・ケチなみかん箱

日記191111・ケチなみかん箱

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 昔は、さよう、戦後しばらく経って前の東京オリンピックが開かれる頃までは、リンゴ箱もミカン箱も木製だった。大きさに明らかな差があり、人目でリンゴ箱かミカン箱か識別することができた。もちらん中身同様リンゴ箱のほうが大きかったのであった。その後段ボール箱が普及するにつれて、木製の箱は使われなくなった。つまりすたれたのである。

 話をミカン箱にしぼる。段ボール箱がミカン箱になってしばらくの間、さよう、昭和から平成の前半にかけてであっただろうか、ミカン箱といえば10キロ詰めが定番であった。知合いからミカンがとどくということは、多く10キロ詰めのミカン箱が届くことであり、相当大人数の家でも、10キロのミカンは相当長い時間楽しめたものである。さよう、年末に届けば、少なくとも正月の松の内くらいは家族全体でミカンを楽しめたものだった。

 それがどうだ。いま贈答用のミカン箱には、半分の薄さの箱つまり5キロ詰めの小さなミカン箱が幅を利かせている。美麗な箱入り、と銘打って2キロの化粧箱入りのミカンまで売られている。なるほどミカン大きくて見栄えはするが、たったこれっぽっち? さよう、安倍政権のインフレでミカンも値段が上がり、庶民が10キロ入りのミカン箱を気安くやりとりできる時代ではなくなったのだ。量が半分になって、値段はそのままだとすると、価格は二倍になったことになる。いまは大体そんなところか。また若い人はミカンやリンゴを食べるよりも、ケーキだタルトだスイーツだと、嗜好も変ってしまったものだろう。すでにミカンが正月の炬燵に乗った主役の座から滑り落ちてから長い時間が経った。

 そしてこのケチな5キロ入り段ボール・ミカン箱の登場である。さよう、昭和のいい時代は過ぎ去ってしまったのだ。私が10キロ入りの大きな、ケチでない、ミカン箱にこだわるのは、正月にはたっぷりとミカンを味わいたいからなのに、時代は変ってしまったらしい。老兵は消えろ、ということなのかな。□

(写真はネットから借用、最後から2キロ、5キロ、10キロ)

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