tokyokidの書評・論評・日記

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日記140528・アメリカの床屋

tokyokid2014-05-28

 先日アメリカのパイの話をしたが、その商店街の延長線上に私の行きつけの床屋がある。日本ではいま安いところでも大枚3500円ほど払わなくては散髪してもらえないだろう。格安でヒゲ剃り、洗髪などをしないで髪を切るだけで1000円という格安店もあることはあるのだが。
 アメリカでは、最初から洗髪は期待しないほうがいい。理髪の椅子に坐ると、目前に洗髪用の洗面ボウルはあることはあるのだが、28年を超える滞米中に、床屋に洗髪をしてもらった記憶はない。いや、正確にいえば一回だけ、最初に渡米した1967年ごろ、どこかの空港の床屋で洗髪を頼んだことがある。そのときのいい加減な洗髪と、乾かしもしない後始末に懲りて、以来洗髪を頼んだことはない。だからそれ以来の長い間、アメリカの床屋は散髪とヒゲ剃りをしてくれるだけのところと割り切ってきた。散髪をしてまっすぐ帰宅してシャワーに飛び込む。これがアメリカの散髪なのだ。
 ところがご多分に洩れずアメリカの散髪料金は安い。つい四年前までは、これで散髪料としては8ドルだった。それに刈ってくれた人へのチップ2ドルを足して計10ドルで事は足りた。今回行ってみたら、アメリカもご多聞に洩れずインフレで10ドルに値上がりしていた。これだとチップは2ドルに据え置くか3ドルにするか微妙なところだった。計12ドルか13ドルか、ハムレットの心境だわな。
 写真はパイを食べたレストランと、その並びの床屋の風情。中は日本と変らないので写真を撮らなかったが、ま、順番待ちの椅子だけがゆったりとたくさんあると思ってもらえればいい。アメリカの床屋は日本の床屋と違って、通りに独立の一軒の店があるわけではなく、商店街の一角にしつらえてある。その上椅子借りとでもいうのだろうか、店主のほかは、その店の理容椅子をひとつ、賃借料を払って借りている職人が多い。これが日本と違うところだろう。でもサインポールは万国共通だ。この赤と青の色は、人間の動脈と静脈を表しており、ローマ時代に医者が床屋を兼ねていた頃からの伝統だと聞いたことがある。