日記190411・え、オブラート?
日記190411・え、オブラート?
いまの日本人は約四割しかオブラートを認識できないらしい。六割はオブラートを見たことも聞いたことも食べたこともないらしいのだ。これは昨年末のテレビ朝日のニュース番組で、街頭で実際に食べさせてアンケートを取っていた結果だ。なかには(ラッキョを与えられたサルよろしく)飴を包んだオブラートをわざわざ剥こうとして悪戦苦闘している妙齢のご婦人もあった。
ボンタンアメはキャラメルと同じような大きさの粒の飴菓子で、一粒一粒がオブラートで包んである。年配の人なら覚えているだろうが、ふつうオブラートは薬局で売っている。用途は粉薬を包んで飲み込むための薄い紙状のものである。私の子供のころ、親は「オブラートはごはんを炊くときのねばねばと同じ成分でできているのだよ」と言って聞かせていたものだ。残念ながらほんとうの原料はなんだか知らない。もちろん苦い粉薬を舌に味あわせることなく飲み下してしまうためのものである。
かく申す私も、もう半世紀以上もオブラートを単品で買ったことはない。しかし手近なところでは、駅のキヨスクやコンビニで売っている鹿児島県産飴菓子のボンタンアメを買ってくるといい。一粒一粒をオブラートで包んであるからである。
それにしても世の移り変りは恐ろしい。昔は子供でも知っていたオブラートを、いまでは大の大人が知らないのだから。□
(写真はネットから借用)