tokyokidの書評・論評・日記

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日記161011・トトねえちゃん 終了

tokyokid2016-10-10

日記161011・トトねえちゃん 終了
 NHKの朝の連続ドラマ「トトねえちゃん」が先月末で終了した。
 これは雑誌「暮しの手帖」の創業者大橋鎭子1920年生―2013年、93歳没)と花森安治(1911年生―1978年、66歳没)の物語で、両者は創業時から社長と編集長の役割分担で同誌の発展に尽くした。テレビドラマだから、事実と同じこともあり、編集してあったところもありで、多少とも同社・同誌の事情を知っている者にとっては非常に興味ある物語であった。
 この雑誌はいまでも続いているが、過去最大の業績といえば、長年にわたって連載された家庭電器や日用品などを社内でテストし、メーカー名と製品名とともに試験の結果を誌上で記事にして公開したことであろう。これによって日本のこれら製品の信頼性は、一気に世界に冠たるレベルにまで引き上げられる原動力となった。いまわれわれが、世界中から「日本製品はよい製品だ」という評判を勝ち取り、高い評価を得ている土台を作ったのは、じつに暮しの手帖誌であったと言っても過言ではない。
 面白いのは社長だった大橋鎭子と編集長だった花森安治との関係で、編集長として無類の才能を発揮した花森は最後まで編集長を務め上げ、社長の大橋鎭子を補佐する役割に徹したことだ。適材適所の典型をここに見る思いがする。私事ながら、大橋は私の高校の先輩に当たる。この学校では大橋鎭子のほか童話作家いわさきちひろシャンソン歌手の石井好子、オペラ歌手の砂原美智子などの有名人を輩出している。□写真は手許の暮しの手帖創刊50周年記念特集号・1998年10・11月号と花森安治の仕事・酒井寛著・朝日文庫の表紙。