tokyokidの書評・論評・日記

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日記180501・安全第一・創意工夫

tokyokid2018-05-01

日記180501・安全第一・創意工夫
 日本の工場は狂ってしまった。データ改ざんや図面と違う製品の検査を通して合格品としてしまったり、工事現場で大火事を出したりドロボウに入られて銅の電線を大量にごっそり盗まれたり、ほかに食品偽造やデータ書き換え、産地偽造などのニュースは引きも切らない。ほかにも製造現場の混乱を示す新聞や雑誌の記事は枚挙にいとまがない。いったい日本の製造業はどうなってしまったのだろうか。単に貧したから鈍しただけだろうか。
 かつて前世紀の終わりごろ、日本の製造業は必至になって「ZD運動」に取り組んでいた。製品の不良率をゼロにしようという運動である。当時の日本の製造業では、品質管理のものさしとして ppm が使われていた。Part per million、即ち百万個に一個の不良率なら許される、というものであった。それをさらに進めて不良率をゼロにしようとしていたのだ。今日の日本の製造現場からは想像もつかない高いハードルであった。
 その頃の日本の至るところにあった製造現場・工事現場には「創意工夫」と並んで「安全第一」のスローガン幕が掲げられていた。
 世界にいいものだけを渡そう。この目的に向かって当時の日本の現場は心を合わせて頑張っていたのだ。あの熱気はどこへ行ってしまったのだろうか。バブルがはじけて空白の30年が経とうとしている。ここまで落ちた日本の製造現場を昔に戻すにはどうしたらいいのだろうか。
 私の目には、日本の製造現場の悲惨な有様には「褌を締めてかかる」くらいの努力ではとても回復不能な状態に見える。□
(写真はネットから借用)