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ni日記140201・あしたまたるるその宝船

tokyokid2017-02-01

日記140201・あした待たるるその宝船
 まいとし2月4日になると思い出すことがある。元禄16(1702)年のこの日、忠臣蔵でおなじみの赤穂浪士切腹を命じられ、処刑された。四十七士として知られるその中に和歌をたしなんだ大高源吾が居た。
 前年12月14日討入りの直前歌会があり、大高源吾は昵懇の歌人宝井其角と次のやりとりをしたとされる。
 宝井其角が「★年の瀬や水の流れと人の身は」と上の句をつけると、大高源吾は「★あした待たるるその宝船」と下の句をつけて応じた。もちろん討入りの日などは、部外者には極秘中の極秘事項で、源吾は友人の其角にそれとなく討入りが間近であることを仄めかしたというのだ。
 関ケ原の戦いからまだ百年、このころはまだ戦国武士の心構えが残っていたものと見える。だからこそ取りつぶしにあった主家の家来が集まって、仇敵の吉良上野介を討ち取ったのだろう。私個人の見方としては、寛永14(1637)の島原・天草の乱と、この赤穂浪士の討入りをもって、戦国時代の気風は終了し、あとは幕府による政治運用の世になっていったと思っている。
 ちなみに赤穂浪士が幕府から切腹を申し付けられた理由は「徒党を組んで他人の屋敷に押し入った」というものだったとされる。当時は数人以上が無断で集まることが禁止されていた時代であった。こういうことを覚えていて、現代の時代劇の映画やテレビ番組を見ていると、それはそれで面白いものである。□(写真と絵図はネットから借用)