tokyokidの書評・論評・日記

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日記161101・アウドリィ ヘボン

tokyokid2016-11-01

日記161101・アウドリィ ヘボン
 読者諸賢は「アウドリィ ヘボン なんて人は知らないよ」とおっしゃるかも知れない。でもこの人を知らない日本人はまずいない、と言ってもいいだろう。
 私どもの同級生に K君が居て、この人は現役のとき日本の大手旅行会社の駐在員としてローマに駐在していた。現地の営業所や空港事務所で飛行機の切符の発券業務を担当していたという。発券のデスクに座っていたとき現れたのが大女優のオードリー・ペップバーン(Audry Hepburn, 1929-1993)で、彼の発券で日本行きの航空券を購入していったというのだ。そのあとも二回ほど彼の発券で日本に旅立っていった、ということだった。私たちは彼の幸運を大いに羨み、「三回も航空券を発券したなら、当然彼女のサインを持っているだろう。見せてほしい」と頼んだ。彼の答は「それが一枚もないんだ。そのときはただボ−ッとして、間違いのないように発券するのが精一杯だったよ」とのことであった。ま、世の中には、こうした欲のない人間がたまには存在するものと見える。
 以下余計なひとこと。この大女優を日本語で「オードリー・ヘップバーン」と呼ぶのはおかしい。Hepburn の 「p」はサイレントで、原語の英語では発音しないことになっている。「心理学」の「Psychology」の最初の「p」と同じく、綴りはするが発音はしない、という約束事になっている英語の言葉なのだ。現に明治維新政府のもとで「ヘボン式ローマ字」を制定した米国の「ヘボン医学博士の本名はJames Curtis Hepburn, 1815-1911」で、大女優の名前と同じ綴りなのだ。なのに片や「ヘップバーン」、片や「ヘボン」では、日本語として統一が取れていない。日本新聞協会では「外来語の発音はなるべく原語の発音に近いこと」と規定しているが、これなど間違った実例だ。「ヘップバーン」などという発音は英語にはないのである。
本来大女優の名は「アウドリィ・ヘボン」が正しいのだ。ここで川柳をひとつ。日本で「ギョーテ」が正しい発音だといわれた本人が、
★ギョーテとはおれのことかとゲーテ言い
これをもじって・・・・・・
★鳳も阿宇鳥もなし日本国(謝)□
(写真はすべてネットから借用。若き日のアウドリィ、年寄ってからのアウドリィ、日本で教職や宣教や医療のかたわら「ヘボン式ローマ字」を策定したヘボン博士の順)