tokyokidの書評・論評・日記

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日記150212・新国立劇場!ニッポン文化国家!

tokyokid2015-02-12

 前項に引き続き、初台のオペラシティに隣接して設けられている新国立劇場について書く。もともと国立劇場半蔵門の近くにあって、歌舞伎や和楽など、日本特有の文化芸能の発表の場であったようだ。それが洋ものや現代劇などなんでも公演する場として、この新国立劇場ができたのであろうか。
 この大劇場は二階建ての甲州街道に隣接していて、地下のすぐそばには地下鉄が走っている。そこで演奏会をやろうとすれば、勢い騒音対策を万全にしなければならない。写真ではよくわからないかも知れないが、甲州街道側には万里の長城を思わせるコンクリート製の長い騒音防止壁と、地下鉄の振動を止めるための大きな池があってそこには満々と水がたたえられていた。よくみると池の表面にはちりめんジワが絶えず寄っていて、これが地下鉄の振動によるものらしい。日本はせまいからこうなってしまうのだろう。このぶん建設費や設備管理費は高いものについただろうねえ。
 面白いことを聞いた。ここで公演があるときは、当然レストランやクロークも開店するわけだが、どうしてか理由はわからないが、ここのクロークではチップを払う必要がないのだそうだ。クロークでコートを預かるのは一種のサービスだから、当然対価であるべきチップを払うのは当り前だと思うのだが、日本ではそうなっていない。きっと明治の封建時代の遺物なんだろう。これでは「サービスと安全と水はタダではない」と認識している欧米人の意識に日本人が追い付くのはまだまだ先のことだろうて。
 もうひとつ、ここはオペラシティに隣接している新国立劇場であるにもかかわらず、オペラシティと紛らわしい名称を構内の劇場につけて、それも麗々しく大きく外壁に貼り出していることだ。こういう文化国家にあるまじき神経は理解に苦しむ。
 訪問したのは平日であったが、ここの小劇場も使われていなくて、館内には警備のおじさん以外にはちらほらと人が見えるだけだった。欧米ならマチネーという昼間の公演があって、入場料もそれなりに安くて、フトコロは寒いが時間だけはいくらでもある人たちが芝居なり演奏会なりを、時間は昼間に限定されてしまいはするが、たっぷりと楽しめるようなシステムがある。日本でもこうは行かないものだろうか。下北沢や浅草で芝居している皆さんの芝居も、ここで見てみたいなあ。小劇場の使用料をもっと安くしてやってよ。文化庁にそれくらいの予算はないのかねえ。これで日本が文化国家だとは、ちとおこがましいような気もするが。