tokyokidの書評・論評・日記

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日記141008・神戸のパン文化

tokyokid2014-10-08

 日本の洋風文化も明治のご一新以来だから、もうけっこう長い期間が経った。洋風文化のうち、日常的に接触する機会が多いのが「パン」文化だろう。いまや日本古来の「ご飯」は衰退気味で、もともとは西洋の「パン」は「上等舶来」文化にも乗って、百花繚乱の有様だ。
 で、写真は神戸市の隣り、芦屋市のパン屋である。支店ではあるが、駅から徒歩10分とちょっと離れていて、でもこれだけの駐車場を備え、店舗もこれほどに大きくて立派。売店のみならずレストランが併設されていて、それがまたけっこうな広さなのだ。人口10万人弱の同市が、これだけの規模のパン屋を維持できるのは、それこそ神戸一帯に根付いた「パン文化」があるからだろう。ちなみにこのパン屋は全国展開しているので、関東でもお馴染みのブランドだ。ちなみにここのパンは、関東で最近よくみられるケーキ風のふわふわした甘いだけのパンではなく、しっかりした味の、ということはよく練られた小麦の生地で耳はしっかり、中身はふっくらと焼き上げた伝統的なパンであった。私のようなパン好きにはたまらない味で、これなら北米や欧州のどこの国の同種のパンと比べてもまったく引けは取らない味であった。
 さすが関西、味もボリュームも値段も、見栄っ張りの東京の店が逆立ちしても実現できないほどのこの充実感。定番の三段重ねの朝食メニューを見てくれ。これでたしか千円ちょっとだった記憶がある。近くには充実したスーパーがいくつかあって、関東の私は芦屋に引っ越したくなったよ。こんな気分のいい店で、ある晴れた日に、もうリタイアした老人がゆっくりとトーストの朝食を楽しむの図などは、一幅の絵になる。
 日本で最初に西洋に向けて門戸を開いたのは、長崎、神戸、横浜、函館などの都市であった。そのなかで例えば横浜でなく、なぜ神戸が日本のパン文化の中心を担うことになったのだろうか。ことは主食に関することだけに、研究してみれば面白い結果がでるかも知れない。