日記140106・ウィーン・フィル新年演奏会
元日に NHK のEテレでウィーン・フィルの新年演奏会があった。英語好きの日本人のことだから、番組表には「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」とあった。当欄の見出しのように日本語を使えばなんということはないと思うのだが、なんでこうなんでもかんでも、英語表記にしてしまうのだろうねえ。それも辛気臭いカナ書きでさ。明治の「上等舶来」の思想がまだ生きているのかねえ。われわれは日本人なのだから、マスコミの雄たる NHK は率先して、日本人らしく正確でいい日本語表記を使いなさいよ。
それはさておき、3時間にわたるこの番組を聴いてみて、いたく失望した。なにに失望したかというと、演奏曲目の選定についてである。私のように、格別クラシック音楽に興味を持っているわけではないいわば一般大衆にとっては、馴染みのない曲ばかり演奏されたからだ。知っている曲といえば「ブルー・ダニューブ」「森」「ラデツキー行進曲」くらいのもので、あとは聞いたことのない曲ばかりが並んでいた。さすが大編成のオーケストラによる本場ウィーンの演奏は素晴らしいものだったが。
これに引き比べ、昨今世界中を飛び回っている「Andre Rieu and his Johann Strauss Orchestra」の演奏曲目はすごい。私でも知っている曲が目白押しなのだ。たとえば彼の「ウィーンでの新年コンサート」の(2005年発売の)アルバム写真を見ていただきたい。彼のオーケストラの演奏は、曲目がポピュラーであるばかりではなく、演奏スタイルが聴衆を魅了するような演出に溢れていて、じつに楽しませる。そこがお高く止まっているウィーン・フィルとの大きな違いだ。私は断然 Andre Rieu のほうを推薦する。なにしろ聞き慣れたシュトラウスのワルツの演奏を、聴衆を楽しませることに徹底した演出とともに、それこそとてもとても、楽しむことができるからだ。
別件で、ウィーン・フィルのコンサートでは、日本人と思しき聴衆が何人も画面に映っていた。そのうちのご婦人のひとりは、全身緑色の服を着ていたが、つい数日前に終ったクリスマスの色は緑色と決まっている。なんで新年のコンサートに緑色の服を着てきたのか、私には理解し兼ねた。洋服に関しては、やはり日本人はまだ TPO に慣れていないのかな。
写真は最初の2枚が Andre Rieu(DVD表紙), あとの4枚がウィーン・フィル新年演奏会関係(テレビ放送スナップ)。