tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

日記130820・わたしのデモシカ川柳

tokyokid2013-08-20

 話は旧聞に属するが、半年ほど前に、人生初の経験であるところの拙著を上梓する機会に恵まれた。ありようは自費出版で、誰かが私の原稿を買ってくれたわけではない。それでもISBN番号がついて、全国の本屋で注文すれば、誰でもどこでも入手できる、という選択肢は有難かった。本来この種の記事は「書評」の形にすべきであるが、自著を書評の対象にするというのも妙な話であるからして、ここではこの本の成り立ちについて簡単に述べておく。
 題名から明らかなように、この本の主題は趣味の「川柳」である。じつはいま川柳はブームで、あちこちで川柳がもてはやされている。だが私の立場からすれば、これは迷惑な話なのである。なぜなら、ブームの対象となっている川柳は、いまどきのガハハという笑いをとればいい、という種の川柳がほとんどで、私が目指すところの古川柳すなわち江戸時代に始まったオリジナルの川柳の領域に迫るものではないものがほとんどであるからである。
 そのあたりの機微を私の主張に従って書いたのが本書である。つまり「先人曰く和歌は抒情、俳句は自然、川柳は人情。そして川柳は句意わかりやすく、森羅万象が句材となり、五七五の十七文字にまとめた詩であり、その四要素は滑稽、穿ち、軽み、諷刺である」という定義をわかりやすく解説したものだ。言ってみれば、川柳は滑稽味を加えて人情を穿つ、五七五の誰にでもわかりやすい詩なのだ。
 それにしても人生の最終ストレッチを廻ってからの趣味が川柳とは、現役のときの私が思いも及ばないことだったなあ。写真は(黄表紙でまとめた)本書の表紙。