tokyokidの書評・論評・日記

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日記130701・日本自動車博物館

tokyokid2013-07-01

 北陸の加賀温泉郷にある日本自動車博物館に行ってきた。住所は石川県小松市、となっている。場所は福井市金沢市にはさまれた地域だ。展示物はバス・トラックの大型車から、いまの軽自動車の系列に入るミニカーまで、戦後殷賑を極めた日本の自動車工業を彷彿させる、きわめて質の高いくるまの群がそこにあった。とくに国産車に関して言えば、トヨタ、日産、ホンダなどの大メーカーだけではなく、いまはなくなってしまった富士やオオタやフライイングフェザーなどの小メーカーの製品もぬかりなく展示してあった。さらに戦後街のあちこちで目にした輸入車、たとえばビートルやルノーオースチンヒルマン、メッサーシュミットなども、キャデラック、ビュイック、シボレー、フォードやジープなどのアメリカ車に加え、国産の技術提携によるノックダウン車も含めて展示してあった。もちろん世界の自動車史を彩る戦前の古いふるいビュイックモーガンロールスロイスなどもあった。
 これだけの展示物を並べている自動車博物館としては、内容的に見て日本唯一でなければ日本有数の博物館ということができるのではないか。展示内容もメーカー別にきっちりと並べてあって、非常に見易い構成であった。別の意味で日本でも有数の名古屋にある「トヨタ自動車博物館」とはまったく別の個性を持つ自動車歴史博物館であるということができる。
 残念であったのは、企画別の展示が弱かったことだ。唯一新設展示として「徳大寺有恒の選んだ名車たち」と銘打った展示コーナーがあってこれはこれで見応えがあったが、これをやるなら、戦後アメリカが雪崩を打って流れ込んできたフォルクスワーゲンのビートルの対抗車として3大メーカーによって開発されたところの、当時GM・フォード・クライスラーが世に問うたベガやファルコンやバリアントを、ビートルと並べて展示して見せてほしかったと思うのは、筆者ばかりではないだろう。おまけにあの大きい図体のアメリカ車を小型化する過程で世にでてきた失敗作、4気筒のキャデラック・シマロンやフォード・ピントなども並べて見せてほしかった。唯一ナッシュのメトロンポリタンだけポツンと置いてあったが、これがシマロンやピントも並べてあれば、さぞかしインパクトが高くなったことであろう。これらのくるまは、探せばアメリカでまだまだ入手可能な車種ばかりなのである。
 もうひとつ、これだけのいまは「歴史上の名車たち」になってしまった展示車が大量にあるのだから、全展示車のカタログをぜひ発行してほしいと思ったことであった。写真は有料入場者に配られるA4・三つ折りのパンフレット表裏と入場券の半券ならびに同館の内外風景。