tokyokidの書評・論評・日記

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日記121016・廃棄した処方薬

tokyokid2012-10-16

日記121007・廃棄した処方薬、日本の医療を考える
 約3年前、18年以上ぶりにアメリカから帰国したときは、アメリカで受けていた治療をそのまま日本でも受けられるものと思っていた。私は高血圧と高コレステロール、それに前立腺肥大を患っている。この場合の治療とは投薬のことで、私は日本に帰ってもアメリカと同じ薬が認可されていたのを知っていたので、医師に頼めば同じ処方をしてくれるものとばかり簡単に思い込んでいたのだ。ところがこの望みは簡単には叶えられなかった。アメリカでは3種類の処方薬を与えられていた。
 ところが帰国して住みついた街の医師は当方の希望は聞いてもくれず、そのあと診てもらったどの医師(開業医)や病院も「自分が検査して自分が処方する薬を飲め」と指示してきた。この中には、都内屈指の大学病院も含まれている。仕方なく当方はその指示に従った。帰国した3年ほど前からの話である。日本ではまず検査を行い(ある大病院では2週間以上検査入院させられた)、それから医師が自分の判断で投薬するシステムらしい。最初処方された薬は6種類ほどだったが、期待した薬効が認められなかったため最後は10種類ほどに増やされた。この結果は惨憺たるもので、それからみるみる病状は悪化した。血圧は200以上(早朝測定値)に跳ね上がるわ、全身の皮膚が猛烈にかゆくなってついには夜寝られず、朝までまんじりともできないわ、という状態が続くようになった。病状改善どころか、薬害により生活の質が著しく低下したのである。アメリカでは皮膚がかゆくなるなんてことはなかったのに。なにしろ食事中だろうと来客中だろうと、内部から盛り上がってくる感じにかゆくてかゆくてたまらず、全身をボリボリ掻くのだから、不潔きわまりない。そのときは頭から出るフケのような皮膚片が身体全体から出ていて、それをそこいら中にまき散らしていたものだ。
 これでは仕方ないと考えて、住む街で、アメリカで処方されていた薬3種類をそのまま処方してくれる医師(だけ)を探し回ってみた。幸い一人の医師が私の話と持参したアメリカ時代のデータを信用してくださり、それではともかくそのように処方して経過をみましょう、ということになった。それから6個月、血圧は在米時と同じ145(早朝測定値、昼間は在米時と同じ130ほどに下がる日が多い)ほどに下がり、かゆみもどんどん減っていまでは日常生活に支障ないまでに回復した。
 ひとつ特記すべくかつまた見過ごすことのできない事実は、前述の都内有数の大学病院では「アメリカで処方されていた薬の日本製の同等薬は、うちの病院はそのメーカーと取引がないので処方できない」と言っていたことだ。こんなことは日本で通用するのだろうか。アメリカでは FDA が認可した薬を、医師であれ病院であれ、取引関係の有無で処方できない、またはしない、となれば、患者が訴えて出た場合、医師・病院側と FDA は間違いなく敗訴するだろう。理由はわからないが、日本ではこういう話がまかりとおっているのだ。写真はその薬の切り換えで使用しなくなった、日本で処方されたところの、私には無用どころか有害であった処方薬を、計10種類、計695錠をいままさに廃棄する直前の写真である。いかにもムダなことであった。