日記120607・「商い中」だってさ!
日記120512・「商い中」だってさ!
写真は店頭でよく見かける看板のひとつだが、なんと「商い中」だってさ。
客から見れば、こんな看板を出さなくても、のれんが出ていればその店が営業中なのはわかっている。
この看板を出している店は「自分の店はいま商いをやっている。客は入りたいなら入って来い」といわんばかりだ。つまり(現在商いをやっており、単にそれを宣言・強調しているのだから)よっぽどエライ店なのだろう。
いやだ、いやだ。
日本の商人はいつから前垂れがけ精神を忘れてしまったのだろう。
昔から「近江屋」とか「伊勢屋」とか「上州屋」とか、出身地を前に押し出して「うちはこれこれの地方出身で手堅い商売をやっておりますよ。どうぞいらしてください」と前垂れがけ精神を発揮して、店の信用の蓄積を図っていたものだ。そしてその商法が客に認められた店だけが生き残ることができた。それがいまはどうだ。マスコミのグルメ記事などで時流に乗って、一時は一見の客が押し寄せて、それらのにわか客がある日潮が引くように去ってしまうとさっさとその店をたたんで、新たな業態の店を出すという・・・・・なんとも味気ない風潮がはびこってきた。
これでは、客はどうやって店を信用したらいいのだろう。店であるからには「商い」をするのは当り前。客を見下して「いま商い中だよ」と宣言することではない。こんなことをしても、その店の信用が増進するわけではない。
なかには毒入りや産地偽装などの食品や食材を売ったり輸出したりする店や国もあることだから、これくらいのことは、目くじらを立てるには及ばないのかも知れない。でも店が客を見下すというこの精神が、いやだ、いやだ。□