tokyokidの書評・論評・日記

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日記120512・みごとなサービス精神

tokyokid2012-05-12

 静岡・沼津港には、場外に多くの鮮魚専門の店が集っている。先日アメリカから来た友人に案内されて、そのうちの一軒に行ってきた。地元の人間が遠来の客に案内されるというのも妙なものだが、そこはそれ、食通と門外漢の違いなのである。
 私の頼んだ「金目鯛の煮魚定食」は大きな一尾が丸ごとでてきたが、「猫またぎ」の異名がある私のことであるから、きれいに平らげた。ふと前を見ると、この店のみごとなサービス精神が目に飛び込んできた(写真)。要するに食べ切れなかったお客さまには、持ち帰りを認めて容器も用意してありますから申し出てください、ということだ。
 これは欧米では「ドギー・バッグ」と称して、どこのレストランでもやっているサービスなのである。「家の犬にやるから」という名目で、あとでもちろん人間さまがいただくのだが、日本ではこの手のサービスをする店はほとんどない。試しに東京・西麻布あたりのレストランでこれをやってごらん。ヒンシュクを買うこととなり挙句に断られること必定だ。レストランとしては、店外に持ち出された自分の店の料理には責任がもてない、ということだろうが、なに、欧米ではどこの店でも客でも、いくらでもドギー・バッグを持ち帰って、それで食中毒が起きたとか、裁判沙汰になったという話は聞かない。
 結局日本の民度が低いのだろう。この程度のサービスを「みごとな」と形容しなければならないのだから。
 なにが「エコ」なものか。日本ではカネを払って自分が食べ残した料理を持ち帰ることができないで、捨てなくてはならないのだから。もったいない。□