tokyokidの書評・論評・日記

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書評・アメリカ50州を読む地図

tokyokid2008-08-04

書評・アメリカ50州を読む地図(浅井信雄著)新潮文庫

【あらすじ】
 この本は、元読売新聞記者の著者による「文字によるアメリカ地図」といえる本だ。ソツなく全米50州を網羅・紹介している。アラバマ州から始ってワシントンDCに終る。もちろん索引もついているから、自分の知りたい州のページにすぐたどり着くことができる。というより、目次がそもそもそのようになっている。各州の略図入りで、平均6ページを費やして、その州の人心、歴史、都市、人口構成、エピソードなどの特徴を、さすが新聞記者の筆で一気に読ませる。前回紹介した全米地図だけでは飽き足らない読者向けの「州別」の軽い紹介書といえる。
【読みどころ】
 この本の面白いところは、各州ごとの略図の下に「コラム」がついていて、要領よくその州の特徴を要約していることである。これだけでも略図を見ながら読むことによって、外国人である日本人としては、各州の特徴を簡単につかむことができるだろう。
【ひとこと】
 この本は、さすがというべきか、アメリカの地にもとからいた原住民、つまりアメリカン・インディアンやハワイアンやアラスカン・エスキモーについてもそれぞれ簡単に触れている。現在のアメリカは、欧州から渡ってきた白人が、自分らの思うままに、原住民を押しやって作り上げた国、その結果が本書で紹介するような各州の成り立ち、という視点からもある程度の知識を得ることができる。アメリカに関する初心者向けの本といえる。
【それはさておき】
 こうした特徴を持つ本書の読者は、どんな人たちだろうか。旅行なり留学なり転勤なりで、これから生まれて初めて日本からアメリカに来ようという日本人にとっては、最低必要限度の各州別の知識を詰め込むためのテキストとしてまことに有用だ。この本の読者は、アメリカ、アメリカと言っても広うござんすという実情を、簡単に州別に把握することができる。□