日記130301・サンアンドレアス断層
南カリフォルニアには、サンアンドレアス断層という、1000キロ以上にわたるおおきな断層が南北に走っている。この断層はこうして至るところで容易に目にすることができる。南カリフォルニアはアメリカでは地震多発地帯として知られることもあり、ここから急速に断層と地震の関係の研究が進んだ、といわれている。このあたりの岩石はもろく、砕け易い。いつぞや案内してくれた UCLA の地学の日系人の先生が「いくら私が金持であったとしても、景色がいいからといって、この山のてっぺんに家を建てようとは思わない」と説明してくれた場所である。
写真は州道14号線をロスアンジェルスからパームデールに向う途中で、車窓からいくらでも見える断層を撮ったものである。こんな断層が遠近に連続して、どこでも見えるのがここの特徴だ。走っているくるまの車窓から目見当で撮ったので、空も走るくるまも写っていない。まことにぶざまな写真で、見ても実感が湧かないと思うが、これが道路を開通させるために山の一部を掘削したあとに露出した断層なのである。
地層が曲がりくねって、いわば大地が自然の力でこねくり回された跡、ということができる。
何万年か何十万年か以前に、この地は大地震に見舞われて、このような地層が出来上がったのであろう。自然にくらべれば、人間なんて小さい、小さい。そんなことを考えさせられる地層である。