tokyokidの書評・論評・日記

tokyokid の書評・論評・日記などの記事を、主題に対する主観を明らかにしつつ、奥行きに富んだ内容のブログにしたい。

コラム・わたしのアメリカ観察 15

tokyokid2012-02-08

ケムに巻く話

 日本人がアメリカに住んでいると、否応なくアメリカ人と英語で話をしなくてはならない。当然当方は(母国語の日本語ではないので)悪戦苦闘だ。これは流暢な英語をお話しになる読者諸賢の話ではなくて、著者の話である。なかには相手を(英語の得意でない)日本人とみくびって、巻き舌の英語でペラペラとまくし立てるヤツもないではない。四方山話ならいいけれど、仕事の話となると、相手にナメられっぱなしというわけにもいかない。そこで当方は、奥の手を出して、オレのしゃべり英語はたいしたことはないが、読み書きならこれくらいのことは知っているぞと相手に知らしめて、ギャフンといわせなければならない。そのとき使うところの、英語のクイズを出す奥の手を公開しておこう。
 その一・サイコロのことを英語でダイス「dice」というが、これは複数形だ。ではひとつだけ(単数形)のサイコロをなんと言うか?(答えは「die」。アメリカ人は意外にこんな簡単なことを知らないヤツがいる)。
 その二・銀行のことをバンク「bank」というが、bankには「土手・堤防」という意味もある。どうしてか。(昔イタリアで銀行が始まったとき、長い机をはさんで銀行員と客が相対した。もともと bank は高くて長いものを指した言葉で、そこから銀行の意味になった)。
 その三・戦車のことをタンク「tank」というが、tank には「容器」という意味もある。なぜか。(戦車は第一次世界大戦のとき英国で発明されたが、町中を走らせるときに、機密保持のために「あれは何?」と聞く市民に「容器」だと説明したことから)。
 その四・公園はパーク「park」だが駐車場もparking でもとの言葉は「駐車」のparkである。なぜか。(昔ローマ時代に、他国に進駐した軍隊を、欧州でみられる都市の中心部にある市役所や教会の前の広場「park」に軍隊を駐屯「park」させたから)。
 その五・教育を意味する「education」は日本語で「教える」だが、英語ではもともと「引き出す」を意味する「educe」からきた言葉だ。だから日本語では「詰め込み教育」が存在するが、英語では「その人の才能を引き出す」意味で、ニュアンスがまったく正反対となる。(日米の違いを覚えて!)。
 その六・「training」は日本語では「訓練」だが、英語で「train」はもともと「仕立てる、作る、引張る」意味であった。だから「汽車」としても使うようになった。(これも覚えて!)
 ここから先は、じつは私も正確な答えを知らない話。
 その七・「風呂」を「bath」というが、これは昔ローマがいまの英国に攻め込んだとき、英国南部の「Bath」という町(いまでもある)で、ローマ風のプールのような風呂を作り、町の名をとって「bath」というようになった。ではそれ以前に英国で「風呂」を示す英語はなんと言ったか?(その前は英国に風呂はなかった?)
 その八・よく使う英語の「I couldn’t care less」と「I could care less」は明らかに文は違うのに意味は同じ。なぜか。(言い回しの違い?)
その九・コーンビーフつまり「corn beef」の語源は?もし「飼料にとうもろこしを使った牛だから」というなら、「ステーキ」はどうなる?(cornはcureと同じで貯蔵用という意味?もうひとつ他のヨーロッパ語からの(英語にとって)外来語という説もあり)
 欧米人にユーモアは欠かせない。当方もこれくらいの冗句は英語で言えるのだぞ、と相手に知らしめる必要があるときに、下の数行を覚えているとよい。
 (以下は海軍こぼれ話・阿川弘之著・光文社文庫から引用)
 アリゾナ州のインディアン保護区で大陸横断鉄道の機関士が、前方の線路の上に男と女がからみ合って寝ているのを発見して汽笛を鳴らしたがどかない。急ブレーキをかけて寸前で止まった。機関士は怒って二人になぜどかなかったか詰問した。その答え。
 She was coming, I was coming, you were also coming, but you were the only guy who had a brake.
 さすがもと旧大日本帝国海軍士官の阿川大尉。しゃれたことを知ってるなあ。でも当方はこのお蔭でスタッグ・バーに行っても困ることはなかった。□
*添付の写真はネットから借用。