日記190501・ペニック・アイリーンと第三の男
日記190501・ペニック・アイリーンと第三の男
君はだいぶ前の洋画で「第三の男」を覚えているか。そう、第二次世界大戦直後のウィーンで、アメリカ製の当時の新薬ペニシリン(抗生物質)が水増しされて密売され、投与された大勢の子供がそのために不具になってしまう、これが発端の映画だった。主演は独特かつ抜群の演技力で定評のあったオーソン・ウェルズ,それとジョセフ・コットン。
この映画は映画の内容もさることながら、その音楽で一世を風靡・魅了した。とくに当時日本では知られていなかったチターという楽器が奏でるこの映画の音楽が観客の心を捉えて離さなかったのだ。
いまから六十ン年前、私が高校一年生のときに、英語の教科書にこの新薬の記事が採用されていた。英語の時間に朗読を指名されたA君は penicillin を自信に満ちてしかも悠然と素晴らしいアクセントを付けて、持前のよく通る美声で「ペニック・アイリーン」と発音してくれて、皆を大いに笑わせてくれた。新学期が始まってまだ間もない頃の、若葉のいまごろのことだったと思う。当時の学校中の先生のなかでも、美人の誉高かった担当の高橋先生の唖然たるお顔が、いまだにありありと目に浮かぶ。
お互いに米寿に近い齢になっても、いまだに「ペニック・アイリーン」のA君には付き合ってもらっている。豈人生の歓楽ここに極まらんや。第三の男の主題歌は、下記をクリックすれば聞くことができるよ。
https://www.youtube.com/watch?v=IjmU_J50xSo
個人的な思い出話につきあってくれて有難う。□
(写真はネットから借用)