tokyokidの書評・論評・日記

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日記190321・もじり英語

日記190321・もじり英語

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 かなり古典的だが面白い話が「お言葉ですが(4)猿の休暇・高島俊勇著・文春文庫」に載っていたのでご紹介する。高島センセイもこの著書で、昔の話として紹介されているのだが、いまどきの若い読者諸賢に通用するかどうか、はなはだ心もとないがあまりに面白いのでとにかくご紹介する。

 その一・ロンドン市内に West Kensington という地名があるが、現地に行った日本人がどう発音しても英国人の相手に伝わらない。そうしたら先に来ていた人が「上杉謙信殿」と発音すれば大丈夫通じるよ」と教えてくれたのでさっそく試したら見事通じた、という話。

 その二・同じくロンドンのレストランで、隣のテーブルの英国人がうまそうに鮭と胡瓜の酢漬けを食っていたのを見た日本人が自分も食べたいとウェイターに Salmon Cucumber と注文したが一向に通じない。あとでくだんの先輩日本人に訊いたら、それは「猿の休暇」と発音すれば通じるよ、と教えてくれた話。どちらもなるほど、だよね。話の具合から、どうも明治期の漱石ロンドン滞在以降の話らしい。

 おまけにもうひとつ。これは私も学生時代に聞いて知っていた話だが、さる大学教授が自分の科の入試に英文和訳の問題を出した。いわく Oh, my, much, much, care no thought. で、字句通り直訳した学生は落されて、正解は「お前待ち待ち蚊帳の外」だと。しゃれた大学教授も居たものだねえ。もっともこの方は既に人口に膾炙しているか。それにしても若い人で蚊帳を見たことがない人がいるかも。加えて蚊帳の外で背の君を待つなんて奥床しいオノコは居るのかなあ。なに、背の君ってなにかって? ま、いまの生れながらにしてバイリンガルみたいな君には関係のない話題だったね。□

(写真はネットから借用)

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