日記181221・今年のクリスマス
日記181221・今年のクリスマス
私も八十ン年の生涯にわたって毎年クリスマスを見てきた。もう戦前のクリスマスの様子を覚えている人は少なかろう。戦前のクリスマスは、教会で集まるだけだった。その場合信者同士のプレゼントの交換はあったように思う。それにしてもごくささやかなものだった。
戦後は一転してハデハデになった。クリスマスが商業と結びついたのである。もちろんそうなるには、駐留米軍の存在が大きく一役買った。米軍兵士を客とする店が競ってクリスマスの飾り付けをして、米兵の集客に走ったからである。このときアメリカ人なら誰でもキリスト教徒であるという無意識の誤解が生まれた。その後日米間で貿易が盛んになって、年末にはクリスマスカードの交換が行われるようになったが、ユダヤ教徒やイスラム教徒のアメリカ人に向って本来キリスト教徒だけに通用するクリスマスカードを自動的に送る妙な習慣がついてしまって今日に至る。
クリスマスの時期は年末だ。偶然ながら日本には正月元旦を盛大に祝う風習がある。平成になってからはこれに12月23日の天皇誕生日が加わった。来年から年号が変わるそうだから、これは今年でおしまいなのだろうが。あれやこれやが重なって年末年始のお祭り騒ぎは空前の規模となった。だがそれに伴って、クリスマスそのもののお祭りはだんだん地味に傾いていったように思う。もとは宗教的な行事だから、これでいい。街の商店街のスピーカーががなり立てるジングルベルのメロディを聞くこともなくなった。これもいい。あれは単なる騒音だったからだ。
こういう次第であるから、昔の大騒ぎクリスマスにくらべれば今年のクリスマスはキリスト教信者がひっそりと協会にお参りする静かなクリスマスになって欲しい。ちなみにクリスマスのテーマカラーは赤と緑である。冬にはふさわしい色合いだ。
クリスマスおめでとう。□
(写真はネットから借用)